「ザビー様にとても素敵なものを頂いた。お前にやろう。元親。」
元親はそう言う元就に思いっきり眉根を寄せた。
「胡散臭すぎて何から指摘すればいいか判らねぇんだが。ええと、ザビーってとこがまずおかしい。そして素敵なものをお前が俺にくれるわけがねぇ」
「そんなわけがなかろう」
「……」
元就はにやりと笑った。
元親は素直に怖いと思った。
ので
「お、おい!!!!助けて!!」
「え?どうしたの?元親」
偶然通りかかったに助けを求めることにした。
「何?」
「元就が俺に何か怪しいものを押し付けようとするんだ!!」
「怪しいものとはなんだ。ただこの飴をやろうと言っているんだ」
「飴?」
元就はにやにやしながら飴を二個手のひらに乗せてに見せた。
「元親の年齢なら一回二錠…」
「二錠て!!それ薬なんだな!?飴じゃねえんだな!?何の薬!?こわい!!」
は、なら、とにっこり笑って
「一個ずつ食べればいいじゃん!!」
そう言って、、元就の手から飴というか丸薬を1つづつ持ち
「はい!!」
「え…ぎゃ…!!もが」
「なっ…むぐ…」
元親と元就の口に押し込んだ。
「おいしい?仲良く分けっこね!!」
が元就に笑いかけると
元就は顔を真っ青にしていた。
「…!!お前…!!」
「え、え」
「この薬は…若返りの…」
「若返り…?」
そう言いながら、元就と元親はうずくまった
「だ、大丈夫…!?若返りって…!?」
「オー、タクティシャン…飲んジャッタネー」
「ええ!?」
が振り向くと、すぐ後ろに大きな黒い塊が…
「でかい!!見上げないと判んないし!!ザビーさんですか!?え、これ腹!?」
「失礼なレディですネー!!それヨリー、二錠飲めば赤子にナル薬ネ…一錠なら…ドーナル?」
「私に聞かないで!!え、ちょ、赤子って…」
二人を見ると
「おおおおおおおおお!!!?」
ちょこーんと
子供になった元就と元親が…
「ふ、二人とも、私のこと、判る!?」
「…貴様…我が幼くなってしまったではないか…!!」
元就は幼いながらも強い眼光でを見据えた。
「元就さんは絶好調です!!元親は!?」
「〜…わたしどうなっちゃうの…?」
わたし!?
「記憶はそのまま、身体は子供で、性格も子供ね!?」
「オー…ヤヤコしいネー」
「誰のせい!?ってかどうやったら戻るの!?」
「…効き目が消エルマデー」
「それがいつ!?」
「ザビーも知らナイヨ!!レディ怖いヨー!!なんでそんなにザビーを責めるノー!?」
「あなたのせいじゃん!!」
「飲ませたのはレディよ!!」
「あ!!そうだった!!」
「どうでもいい!!」
元就は二人を怒鳴りつけた。
「…タクティシャン…子供なのに怖いネ…」
「う、うん…」
とザビーは怯えてしまった。
「時間が経てば戻るのだろう?」
「ウン…そう聞いてるヨ…」
「ならば待つしかなかろう」
元就は冷静だった。
「、」
「あ、なあに?元親…」
「わたし戻れる?」
「戻れるよー」
「じゃあそれまで遊ぼ?」
…にこにこする元親が可愛い…
声も高いし本当に女の子みたい…
ちかちゃんて呼ぼうかしら…
うっかり元親の可愛さにぼーっとしてしまったが、いかんいかんとは首を振った。
「な、何であそぼうか?」
「お花の冠つくりたい」
ちかちゃんー!!!!!!!!!!!
「松寿丸も行こうよ!!」
「松寿丸…?あ、元就さんか…」
元親は元就の腕をぐいぐい引っ張った。
「松寿丸はねえ、お花の冠つくるの上手なのよ。わたしより上手なの。」
「…仕方ない、またつくってやろう…」
「ありがとう!!」
二人は一緒に丘に登って行ってしまった。
「…かわいいね…」
「ビックリしたヨー…ザビーも冠作りたいネ…教えてくれるかなあ、タクティシャン…」
「大丈夫じゃないですかね…」
二人はゆっくり二人のもとに向かった。
は花の冠のつくり方を知らなかったので、二人が器用にシロツメクサを編む姿を見つめていた。
「…信じられないくらい仲良しだよ…平和だよ…」
「ザビーもつくるよ!!できたらレディにあげようカ?」
「…ありが…ってえ!!いらねえ!!おま、それ茨だよ!!茨の冠だよ!!痛いよ!!」
「ザビー、痛くないよ」
「手の皮が厚いんじゃないですかね!?」
そんな事をしていると、元親がそばにやってきた。
「できたの?」
「うん!!にあげる!!」
「…え」
元親はの頭に小さな冠をのせた。
「あ、ありがとう…」
「、似合う!!」
「ほ、本当ー?うれしいな…!!」
「…いいなあ…ザビーもほしいヨ…」
「にあげるために頑張ったの!!これはになの!!」
「元親…!!」
はただ見ているだけしかしなかったことを悔いた。
一緒に作って、交換っことかすればよかった…!!
「元親ー!!」
「なあに?ったら甘えん坊さんね」
元親をぎゅううと抱きしめたらそんなことを言われてしまった。
でもまあいいかと思い、そのままでいると、今度は元就がやけに長く編んだシロツメクサを持ってきた。
「そいつはにあげるのだろうと思い、我は冠ではなく首飾りにした。…にやる」
「元就さん…で、でも、元親に…」
「わたしには、次につくってくれるの!!だから大丈夫よ!!」
今度は元就が、に作ったそれを首にかけてくれた。
「ありがとう、元就さん」
「気にするな」
「………」
ザビーは羨ましそうに指をくわえた。
「いいナー…ザビーもお花欲しいヨー…一個ザビーに頂戴ヨー」
「…ザビーさん、あなた子供か」
「子供でいいもん!!ザビーに頂戴!!」
「こ、こら!!」
「…仲良くせぬか」
元就はため息をついて
「ならばこうするとよい」
そう言って
の首に掛けたものを、ザビーの頭にも掛けた。
「…えー」
「お花ネー」
とザビーは1つの首飾りを二人で共有という状態になった。
「切れぬよう、大人しくしておれ」
「い、いつまで?」
「ザビーが満足するまで」
「いつまでですかー!?」
ザビーは花をいじり、とても楽しそうにしていた。
「、我慢、頑張って」
「がんばるよ…!!まさかこんなにザビーと至近距離に居なければならないなんてことになるとは思わなかったけど頑張るよ!!」
元親に笑顔を向けると
いきなり
ぼわんと煙が
「……」
薬の効き目が切れたのか
元親と元就が、元の姿に戻っていた。
「…あン?何だ?なんでこんなところに…」
「…我は、今まで何をしていた…?」
記憶はぶっ飛んだようだ。
「…、なんでザビーといちゃついてんだよ…」
元親は口元を歪め、ちょっと引いていた。
「…あのう」
「嬉しそうにしおって…ザビー様に惚れたのか?」
この顔は元親に向けた顔ですが…
「ザビー!!!!!もういいよね!?終わり!!!お花は終わり!!!」
「えー?でもザビー、まだそれ欲しいヨー?」
「黙れい!!!!!」
は首飾りを奪い取り、肩にかけた。
「もう行こうか!!!!」
「…ザビーとの逢引は終わったのか…?」
「元親!!!!てめ、おいこら誤解だそして誰のせいだ!!!」
「ザビーは、聖職者よ?逢引なんてしないヨ。ごめんね、レディ」
「私勝手に失恋してる!?」
元就も今の状況が読めなかったが
「…ザビー様とが作る、愛…」
悪くはなさそうだと思っていた。
何かを察知したは、思い切り元就を睨みつけた。
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…ザビーがこんなに出てくることになるとは管理人も思わなかったヨ!!
リクありがとうございました!!
突発ヒロイン作ろうと思ってたのにこんなのになってしまいすいません!!