並んで庭を歩く。

「小太郎ちゃん!見て、トンボ!真っ赤!」
こくり

「山もすっかり色づいてるなぁ…秋だね。小太郎ちゃん、寒くなってきたら外で寝ちゃだめだよ。風邪引いたら大変」
……こくり

が振り返る。
頷きの間が気になったようだ。

「…無理?」
「…」

に心配をかけるようなことはしてないのに
はいつも俺の心配をする
を守るためにいるはずなのに
俺は忍に向いてないのか

と会って、生まれて初めて、そんなことを思った

「…何か、不安?」
「…」

なぜ、判るのだろう。
呼吸も脈拍も、平常時と変わっていないのに。
は、不思議だ。

「…あっち、行こう」
「…」

手を引かれる。

…喋れと、言えばいいのに。
は、俺の考えを読めるのか?

二つ並んだ、大きめの平らな岩に座って、と向かい合った。
「…!?」
自分に驚いた。
と目が合わせられない。
心が読まれそうで怖い。
「小太郎ちゃん?」
「…」

と、近くに居すぎたのかもしれない。
距離を置くべきなのかもしれない。

「…そっち、いっていい?」
「…」

こくり

…向かい合っているよりはいい…

がすぐ隣に座る。

…なぜだ

逃げ出したい。

「小太郎…ちゃん…」

呼ばないでくれ

「小太郎ちゃんは、…前の生活に戻りたい?」
「!?」
「わ、私と居るのは…退屈…かな…」

が俯いてる。
なぜそんな風に思うんだ。
そんなわけ無いのに。

首を横に振る代わりに、の肩に手を回した。

「…あ…ごめん…しんみりしちゃって」

そんなの構わない。
怒りも悲しみも欲も全て俺にぶつければいいのに。

なぜしないんだ。

俺はの目にどう映っているんだ。

「へへ〜…優しいなぁ、小太郎ちゃんは!好き〜」
「…」

の望みならば、俺は何だって

「!!」

一度抱きしめて

額に、瞼に、目元に、鼻に、口元に、顎に、口付けを落とし、首筋に舌を這わせた。

の脈が速くなった。
悦んでくれているだろうか

好きという感情の、表現方法ならば知っている

言葉などいらないから俺にはちょうどいい

の服に手をかけた

「やっ…やだ!」
「…?」
なぜ?

が着物を必死で押さえている。
「小太郎ちゃんは…し、したいの?」

俺じゃないだろう
が言い出したんだ

「私が好きって言ったから?違うよ!そういうんじゃなくて…あの」
「…」

が、不安そうな顔をする。

「小太郎ちゃんは…私を友達として見れない?」
「…」

「私のそばに居てくれるのは、任務?」
「…」
それは違うと…思う

「い…いつか…貰ったお金分の仕事したら、どこか、行っちゃうの…?」
「…」
そんなのは嫌だ

嫌だ

離れたくない

俺は

…そうか

怖かったのは

に執着してしまうことだ

のそばから離れられなくなることだ

もう、遅いのに

こんなに大切な存在になっているのに

も、こんな気持ちで俺を見てくれているのだろうか

だから心配してくれるのだろうか

これが、友達…?

「変なこと聞いて、ごめん」
ふるふる

安心させてあげたいから

今度は気持ちを込めて

「…こっ…たろ・・・」

なら判ってくれる

ほら

顔が赤くなった





■■■■■■■■
うちの小太郎はどうも子供っぽいので
たまには大人の思考で
・・・無理でした。ごごごごめんなさい
こ、小太郎みなさん好いてくれているので反応が怖っっ!!
そして話暗いなおい!!