「政宗さん、小太郎ちゃんがこれくれたの」
「…小太郎が?」


一瞬にして政宗が不機嫌になった。

嬉しそうに報告してんじゃねえよ。

ただでさえ小太郎とはべったりしてるのに

俺と二人きりの時にまで小太郎の話。

「武器買いに行ったついでにだって」
がさっと取り出した袋の中をが政宗に見せた。

「飴か」
「うん!政宗さんも一個どうよ?」

凄くおいしいよ!と一つ袋から出してが食べ始めた。

「…

「うい?」

ころころと口の中で転がしている。

「あのなぁ…そんなひょいひょい食うな。飴だって安くないんだよ」

「え…」

が目を丸くした。
おいおい、お前の住む世界はどんだけ食糧が豊富なんだ。

「武器買った上に袋で買うたぁ、小太郎は太っ腹だな…」

「そうなの…?どうしよう…おいしいからつい…」
がものすごく申し訳なさそうな顔をする。

「…一日一個くらいならいいんじゃねぇか」

「うん!ありがたく食べる!」

袋の口を紐で縛って、が大切そうに抱えた。

「あ、でも政宗さんに一つ…」

思い出したように紐を解き始めた。

「一日一個って言ったばかりだろ。俺は別に…」
「でも、小十郎さんにも成実さんにも綱元さんにもあげたのに政宗さんにあげないなんて」
「…」

何でおれ最後なんだよ。

無性に腹が立ってきた。

「政宗さん?」
「ah〜、判った、こうすりゃいい」

我ながらベタだとは思ったが


の顔を両手で掴んで引き寄せた。
「!」
がおかしな体制になる。
大した抵抗は出来まい。
問答無用で即、舌をの口内に侵入させる。
が数度瞬きをした。
状況が判ってねぇ

の舌の上に甘い固形物を見つけてそれに舌を這わせる。

「っふ…」

が俺の着物の襟を掴んだ。
力が加わるが弱すぎる。
抵抗というよりすがりついているようで、少し熱が上がった。

飴が動けば舌で追う。

が苦しくなってきたようで、酸素をもとめて口を開ける。

漏れる吐息がダイレクトにかかる。

「ま…さ…むね…さ…」

掠れそうな声。

名前を呼び返してやりたい。

でもこれは違う。

そういう行為ではないんだ。



…ちっ…


「…っはぁっ…」

口を離してやる。

予想外だぜ…俺の方が限界になるとは…

「ごちそーさん」

何でもなさそうな顔をする。

が頬を赤らめている。

「…あ…」

目を丸くして俺を凝視する。

「あほか…」

「色気のねぇセリフだな」

正直ありがたい。


が下を向いてしまった。

「…」

「んだよ…これくらいで泣いてんじゃねぇぞ」

「泣いてない…」

「嫌だったかよ」

「…いっ・・・嫌だったよ!」

傷ついた。
「…てめえ」
「もっ、ものには、順序がある!」
あ?
ああ・・・

もう一度を引き寄せ

唇を合わせた。

顔が離れると

の平手が

ぶわっちーん!!!

おもいきり叩かれた。
「違うだろがああああああ!一回死ね!!」

が部屋を出て行った。

叩かれたところがじんじんする。
絶対腫れる・・・

何か間違ったかよ!?
deepの前っつったら・・・



告白の方?





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そんなあほな話。
ごめんね、政宗氏