、世界で最も住みにくい土地はどこだ。」
「南極かなあ?」
「ナンキョク、とはどの辺りだ?」
「えーっと…」

元就の作業机から紙を貰い、簡単な世界地図を描いて元就に説明をする。

「ここが日ノ本、で、この下ーに描いたのが南極ね。」
「ふむ。何故住みにくいのか簡潔に申せ。」

は太陽を書き、日の光の説明をしたあと、南極が氷の世界だと元就に話した。

「元就が素直に人の話に耳を傾けるとはねえ。珍しいモンを見たもんだ。」
その様子を見ていた元親は、茶を貰いながら縁側であぐらをかいていた。

「…だ、そうだ、元親。はナンキョクに旅立つ元親かっこいいーと申しているぞ。」
最初から!!!!!!!!!いたから!!!!最初のお前の言葉聞いてたぜ!!!!????住みにくいんだろうが!!!!!

元就は元親をとりあえず遠くへ飛ばしてその間に瀬戸内を自分のものにしようとしていることは分かったが、南極はあんまりだ。
も元就に進言する。

「元就さん、南極はたどりつくのも難しいと思うから…」
「そんな所に行く元親かっこいいとが申しておるぞ。」
「さ、最後まで聞けよ元就!!!!明らかに、心配そうなツラしてんだろうが!!!」
「…でも前人未到を成し遂げる日本人が元親…!とっても、かっこいいかも…!!」
さん!?

元就は元親がいなくなったあと四国を攻めるに決まっているが、は純粋に瞳を輝かせて元親を見上げ始めた。

「もし、本当に挑むなら、私、暖かい服をいっぱい調達するよ!!」
「我も全面協力しよう。」
「なら俺が不在の間、四国を守り、帰ったら俺に何事もなく戻せるか。」
「……………………………………もちろんであろう。」
「その長い間!!!!!!!!!!!!!!!!」

元就に掴みかかろうと手を伸ばすと、とっさにが元親の腕を掴んだ。

…!」

喧嘩はだめと怒られるかと思い、謝罪しようと彼女の方を向くと、キラキラと期待に満ち溢れた瞳があった。

「もし、動物とか氷とか取ってこれたら凄いよ!!元親の名前、世界に知れ渡るよ!!後世に残るよ!!」

もうすでに後世には残っているのだが、今のには元親が大名であり、土地を守らねばならないということは頭からすっぽり消えていた。

「せ、世界…」

そして元親も、の言葉に非常に興味をそそられていた。
の手に自分のを添え、僅かに目を伏せる。

にそこまで言われちゃあ…な…!!」

そして南極の過酷さなど知る由もない。

「出航だ!!!!ちょっくら行ってくるぜえええ!!!」
「元親!!私待ってるよ!!」
「ああ…ナンキョク土産をたっぷり持ってくるぜ!!!」

ここでが南極へたどり着くにはどのくらいかかるかを元親に伝えてたら、彼も躊躇ったかもしれない。




















元親が旅立ってから数日が経ったが、瀬戸内は静かなものだった。

、四国の状況はどうだ。」
「凄く平和です!!」
「…そろそろ一国を背負うのは疲れたのではないか?」
「そんなことないですよ!みんないい人ですし、政宗さんとこで鍛えた政務が役立ってて嬉しいです!からくりもいっぱいだから戦力もあるし!」
「………そうか。」

元就が忙しいだろうと思ったは、元親不在中の四国をまとめる役に立候補し、そして上手く取り仕切ることが出来ていた。

「………。」
不在の隙に四国を攻め落とそうとした元就だったが、を討つことはできず、それは豊臣など他勢力も一緒だった。

「ある意味最強ではないか…!くっ!!」
「どうしたんですか元就さん!!体調でも悪いんですか元就さん!」
「や、やかましい!我に優しくするな!!!」

そこへ風が吹き、小太郎が現れ、元就に寄り添うを引き剥がした。
不思議そうに小太郎を見上げるに文を渡す。

「政宗さんからだ。」
「もう奥州へ帰れとの文であるな!?な!?」

開くと、は驚きに目を丸くする。

「な…」
「どうした!?奥州が危機なのだな!?帰れ帰れ!!!」


  

  なんか元親の船が青葉城のすぐ横に出現したんだがなんだこれは!!!???
  絶対お前ら何かしただろ!?元親も混乱して、時空が歪んだとか言ってわけわかんねえんだけど!!
  …まあそれはともかく、そろそろこっち戻ってこいよ…。
  さ、さみしいとかじゃねえけど、お、俺はともかく小十郎とか元気がねえ感じだからよ、
  お前みてえなバカ騒ぎする奴が足りてねえんだよ!
  とにかく早く帰ってこい!!

  政宗



じ、時空が歪み…!?まさかバミューダトライアングル的な未知なる海峡に踏み入ったというの元親…!!
貴様独眼竜のツンデレはスルーだというのか!!??

興味深い…!と呟き、は元親の部屋から世界地図を取り出す。

「ええと確か航海士さんがこんな感じの航路を取っていたから…」
「元親に聞けばよかろう!青葉城に帰れ!!しかしなんだそのばみゅーだとらいあんぐる…?なかなか崇高な名称ではないか…!」
「バミューダトライアングルというのはこっちのほうでね、海底都市があるという噂などあって…」
「海底都市だと…!?如何にして作るのか…!?」

地図に夢中になると元就は、小太郎が消えたことに気がつかない。
そして、元親を連れてまた現れたことにも気づいていなかった。

「…なにしてるんだお二人さん…。」

瀬戸内に戻れば、元就はゴミを見るような目を向けるしは失望した顔するに決まっていると思っていた元親は拍子抜けした。
むしろ二人共活き活きして地図を見ながら早く元親戻ってこないかなあと言っている。
本人が後ろに居るのだが。

「おい…お?」
話しかけようとしたが、積まれた書類に目が止まる。

「これは四国の…な…!!!」
それを見た瞬間、元親の瞳がキラキラと輝いた。

ー!!!!!!!!」
そしてに後ろから抱きついた。
「元親!!」
「貴様!一体どこの神聖なる海域に踏み込んだのだ!?貴様は追い出されたのだろうが信仰深い我なら行ける!気がする!!」
「なんであの赤字だらけの俺んとこの財政が黒字になってんだよおおお!!お前だろ!?お前が上手く回してくれたのか!!は俺のもんだあああ!!!」
「元親それより航路をここに示して!!」


「………。」
その場をまとめられるのは小太郎だけだったが、静観に徹していた。










■■■■■■■■
瀬戸内の二人で、元就が、元親からかってヒロインもそれに便乗というリク頂きました!!
長編のほうが暗いので明るめほのぼのにさせて頂きました!!ほのぼの…だろうか…!?

リクありがとうございました!!!