今日は政宗のおつかいでバサラ屋に来ました。

「えと、才蔵の笹と…源内の蘇生術…」
「あれ??」

名を呼ばれて振り返ると、着物姿の佐助が立っていた。

「あれ、佐助もおつかい?」
「いや、私用で…って、、俺だってね、お使い頼む部下くらいいるから!!なんかそんな下っ端みたいにお使いとか言わないでよ〜」
「あ、ご、ごめん」

まぁいいけどね、と言って、佐助は店員に視線を向けた。

「おたのしみ武器くれる?」
「はいよ」
「…おたのしみ武器?」

なんだろうそれ…?と思いながら見ていると

「これだね」
「どーも―」
「…へ」

出て来たのは

…何か、ゲームソフトみたいな

でかくて青い

さすけって名前書いてあって

政宗さんの顔かいてある

「…なんすかそれ」
「武器」
「……へぇ―」

納得いかなかった。


、一人で来たの?」
「うん。バサラ屋だからね」
「そうだね。バサラ屋だしね。」

そう、どこの領地の者でもすぐに辿り着ける謎多き店、バサラ屋…

「まあ、バサラ屋についての詳細は誤魔化して…は自分には何か買わないの?」
「え、私?」
「装備はともかく、ごはんとかせんべいとか、うどんとかあるよ?」
「それは食べちゃダメって言われてるんだけど…」
「……」

竜の旦那…に強くなって欲しくないのかな…

…でも、ちょっとくらいなら…

「俺食べるんだけど、も食ったら?」
「げ、激辛なんでしょ…?」
「…」

うーわー…なんか吹き込まれてるー

「んなことない。おーい、うどん二つ頂戴よ」
「まいど」

すぐに店内の机に二つ運ばれてきた。

「あれ、美味しそう」
「美味いよ?はい、残さず食べましょう。頂きます!!」
「いただきまーす!!」

手を合わせて、汁から飲んで

「あれ、おいしいじゃんー!!」
「でしょ?」

ちゃらん

「何の音?」
力が上がった音です。
「さあ?」
誤魔化しました。

「あ、それなんかいい」
「どれ?」
「髪掻きあげながらうどん食うの」
「…佐助さん…なんかおっさんっぽいよ…」

そんな会話をしながらうどんを完食したあと、がせんべいも食べたいと言い出した。

「いいねえ。買ってったら?」
「なんだかとっても食べたくなったー。政宗さん、なんでダメって言ったんだろ?こんなに美味しいのに…七味入れすぎたんじゃないの?ドジだなぁ…」
「……」

まあ、ドジキャラでいいんじゃないの?と思って佐助は訂正しなかった。

はバサラ屋をぐるりと見回した。

「そういえば、なんだあれって物いっぱいあるけど、みんなお楽しみ武器ってやつ?」



釣竿やハリセンや花束やルアーをじっと見つめた。

「前、まつさんが箒買ってて、日用品も売ってるんだなーって思ったら、これでさらに強くなれますわ!!って言ってた…あれって…」
「お楽しみ武器だねえ」
「チョコバナナとかカジキマグロって…生ものだよね…?これも…?」
「お楽しみ武器だねぇ」
「…すご。」

もう何でもありなんだな…面白い…とは興味を示し、お楽しみ武器をじっと眺めていると

「お嬢さん」
「はい?」

バサラ屋のおじさんに話しかけられた。

「見たところ、何も属性が無いようだけど…」
「へ?あ、いや、私は…」
「あー、旦那、この子は戦わないよ?」
「ああ、そうじゃないよ。お嬢ちゃんは何でだかわからないけど、属性関係なく何でも買えるから、武器でも欲しいもんあったら言ってくれってな。」
「マジ?なにそれ?」
佐助はを見た。

はもともとこの世界の人間じゃないから、ここの規約には従わないって事かね…?

「いいの?そんなこと言っちゃってさ?」
「こっちは商売なんでね」
「いい商売だねぇ…」

佐助は早くに買っておいてよかったと思った。

「この地球儀、おっきいー」
「…、それは危険。止めときな。回りだすと怖いよ?」
「回るの?でもインテリアにさ…あ、持ち帰るの大変か。こっちの花束綺麗だよねー」
「…かすががを襲いに来るからやめときな…」
「かすがが?」
謙信様の武器、返せ!!ってね…

「うーん、うーん」
?何で本気で悩んでるの?マジ買うの?」
「バサラ屋のおじちゃんにはお世話になってるので、売り上げ貢献」
「お嬢ちゃん、可愛いねぇ」
「ありがと!!」

佐助は、ええと、大将と旦那のお楽しみ武器は買ったよね…う、うん、それでこの前の戦は出陣した。ある、大丈夫だ。と、とりあえず身内の心配をした。

「何これ?万国旗?あはは、かわいいー」
「……」

両手で万国旗を持つが可愛らしく見えた。

…おっと、いけない…俺は止めなきゃ…

……

でももし、が次にここに来た時に、また武器を手にして欲しいって言ったら…

「……」
これは、竹中半兵衛…だったか?

姿を思い出す。

あの細身の身体で使って…

この武器は危険な関節剣…


…」
「かわいい!!気に入った!!」
「まいど」

買ってしまったを、佐助はどうしたもんかなと頭を掻いた。




佐助が使い方を教えてくれるというので、森の中に入ることに。
ある程度奥へ行くと、佐助が太い木を指差した。

「あれに打込んでみたら?」
「おお!?修行!?…でも万国旗を木にうちつける…なんだか物騒な…」
「使えるようになったほうがいいって〜」
「部屋に飾ろうかなと思ったんだけど…」

はしぶしぶ木に近付きました。

佐助はがんばれ―と声援を送りました。

「はいはい…とりゃ!!」

は、佐助楽しんでるな…私遊ばれてるな…と思いながらも木を叩いてみました。

「!!」

木に大きく傷がついて、はびっくりしました。

「万国旗なのに!?」
!!攻撃し続けて!!」
「え、うん!!」

は何度も振ってみて

「うわ、佐助ぇ!!なんかこれ凄い抉れて…」

六回目で

「う…!!」

関節剣が飛び出た。

おかしな方向から木にぶつかり、関節剣が弾かれ、に向かって飛んできた。

「あ…」
「おっと!!」

佐助がすぐにそばに現れ、関節剣をクナイで弾いてくれた。

「危なかったねぇ。大丈夫?」
「あわわわわわわ…」
はへたりと座り込んでしまった。

「あれ?大丈夫?言わなくてごめんねえ…でも、安易に武器持ったら危ないって判った?」
「つ、使うつもり、なかったもん…わ、わわわわ…」
「でも竜の旦那とか、なんだこれって使うかもしれないでしょ?自分には自分に合った武器を持たないと危ないの」
「う、うわああああああご、ごめんなさい…」

佐助は腰を抜かしたに笑顔を向けて

「失礼」

ひょいっと抱き上げた。

「佐助ぇ…」
「奥州まで送るよ」

ここは佐助に甘える事にした。






奥州に着くと、佐助は庭で煙草をふかす政宗を見つけた。

「竜の旦那〜」
「猿飛…?と、…?何だその…国旗?、お使い、ちゃんとできたか?」
「……」
後方にいた小十郎は、親子か!?と言いたかったが我慢した。

「政宗さん〜…うわああああああ…」
「どうした?何かあったか?猿飛、お前こいつに何か…」
「いやあ、ごめんね、ちょっと、その国旗についてさあ…」
「…いや、なんつーか…こっちこそすまねえな、色気のある声出せねぇ奴でよ」
「いえいえ、本当に怖かったみたいで、らしくて可愛いよ」

政宗はうああああと声を出すを佐助から受け取った。

、判ったね?」
「うん…この国旗、どこかに鍵掛けてしまっておく…みんなに使わないように言うよ…危ないって…」
「…もし、本当に使いたいって思ったら、小太郎か旦那が一緒のときにやるんだよ」
「うん。約束する…」
「いい子だね」

佐助はの頭を撫でたあと、すぐに消えた。

「佐助、ありがとう…」

佐助は奥州の空を飛びながら

「全く、は放っておけないんだから…」

武器を使わせたのは自分だが、もし一人でいるときに使ってしまったらと考えると恐ろしかったのでそうしたんだ。

これを教訓にもう少し用心深くなればいいなと思う。

「ま、仕舞っておくって言ってたし」

…………

…あれ?

これでいいんだっけ?

何か肝心な事を忘れているような…






次の日

佐助は早朝から再び奥州を目指していた。


奥州でもすでに騒ぎは始まっていた。

!!何だか半兵衛から、お前を差し出さなきゃ奥州に攻め入るって文きたんだけどお前何かしたのか!?」
「わ、忘れてた…どうしようどうしよう…」
!!」
佐助が天井裏から現れた。
「ああ!!佐助!!どうしようー!!!私半兵衛さんの武器…」
「俺も忘れててごめんね!!今から一緒に返しに行こう!!バサラ屋…いや、直接竹中さんのとこ行った方がいいかな…!!俺も謝るから!!」
「あ、あの…」
「……」

はおずおずと万国旗を出してきたが

それは

「…なんだか、いろいろくっついてるんだけど…」
「や、やっぱ可愛くてさ…加工したくなって…ストラップ…くっ付けちゃった…」

柄の部分に、じゃらじゃらと、ハートやぬいぐるみやらのストラップがたくさん、しっかりと縛り付けられ、揺れていた。

「…うん、さらに華やかになって、可愛いね…」
「…半兵衛さん、こういうの好きかなあ…?」

取ろうと奮闘したようだが、絡まって取れなくなったようだ。

「…きっと、好きだよ」
「…きっとそうだよね…」

ポジティブに考え、は佐助と一緒に、大阪城を目指した。


「…あ、行く前にバサラ屋でまたうどん食おうかな…」
「最後の晩餐とか言わないよね…?」
「…生きて帰るための食事だよ…」
「?」













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バサラ屋は各々の領地に支店があると考えたほうがいいんだろうが、そしたら佐助と会えないじゃん!!ということでこんな設定に…
佐助は好きなんですが難しい…!!慣れるのを待つしか…!?
うううすいません…!!

佐助のほのぼのorギャグをリクしてくださった方、有難うございました!!