「が町で浪人に襲われ、嫌なのに感じてしまう、ごめんなさい政宗さん、私、初めては政宗さんに捧げたかったのに……という夢を見た。」
「どうしたの政宗さん。お話開始早々可哀想な人ですね。」
「お前ええええええ!!!!えっ何それそういう反応なの?ひどい政宗さん!!そんなに私が欲しいなら堂々と言えばいいじゃない!!べっ別に言ってほしいわけじゃないんだからね!!って反応じゃないの!?」
その横で、小十郎は残念ながら全力での味方になる決意をした。
「政宗様…一体どこの前田慶次にそんな話を聞いたので?」
「ば、ばれてるじゃねえか!!!!」
聞けば、酒に酔った慶次が、裏で出回ってる本を得て読むとそんな話があったのだと政宗に言ったらしい。
「…夢みるまでは忘れてた。今となっちゃあ笑い話かもしれねえが、夢の中って気付かねえで助けようとしてよー、でも全然傍に寄れなくてな…ちいと…shockingで…」
「政宗様、その話まで一気に言って下されば、我々はこうして政宗様にドン引きせずに済んだのに…」
「ここまで一気に!?俺の肺活量にどれだけ期待してるんだ!?しかも現在進行形でドン引きなのか!?」
焦る政宗が気の毒になってきてしまい、ははあ、とため息をついた。
「言わなくていいこともあるのに、そんなこと本人の前で言わないでください…。夢の話だし、見たものはしょうがないしまあ…いいよ…」
「おや、今日は大人の対応だな。」
「今の話聞いて、最近気軽に町や山に行ってたな―と思って…。山賊とか、いるかもしれないもんね。気をつけようって思ったから収穫あり!!」
「いい気持ちの切り替え方だな、。そう考えてくれると思って俺は…」
「…政宗様…後付けは止めてください…」
湯に浸かり、は疲れを癒していた。
けれども表情は穏やかでなく、眉間にしわを寄せて自分の腕や脚を見る。
(鍛えてないんだから、男の人には敵わないって知ってるよ…)
お前の腕、ちょっと力入れたら折れそうだな、と男の人に言われたこともある。
「でもやだなああ…政宗さんの夢までいかなくても、男の人に好き勝手…とか…辛いよ…他人事じゃないよね…」
自分の身は自分で守るぞ!!と元気を出したいが、急に気持ちの変換をする気にもなれない。
「…部屋に戻ろう。腕立て伏せしよ…」
上がって、ぺたぺたと足音を立てながら脱衣所に行く。
すると、何か違和感を感じる。
「あれ…?」
着替えを置いていた所が、乱れている。
「…ちょ…」
浴衣はあるが、下着が無い。
「何で…?」
漫画だったら、誰だ私の下着取ったやつはああああ!!!!と怒鳴ることが出来たのだろうか。
ここでなくなるなんて、伊達軍の誰かが取ったということだ。
「えっ…やだ…誰も疑いたくない…」
下着が無くなったショックより、その気持ちの方が大きい。
自分に気持ちを寄せてくれる人がいるということは幸せだ。
だがこんな方法を取る人間がいるなんて思えなかった。
兵の中に、そんなことする人いないはずだ…きっと自分が…持ってくるのを忘れたんだ…
「そうだよ…うん…」
早くここを出ようと思い、浴衣だけ羽織る。
いつもの表情で廊下に出て、すれ違う人に挨拶をした。
(…もし、もし私…自室で誰かに襲われたら、助け呼べる…?この城にいる、仲間の…誰かに襲われたら…)
そんな妄想までしてしまう自分が嫌だ。
そして大人しくされるがままになる自分しか想像できなかった。
部屋に駆け込み、自分の下着を探すがどこにも無い。
「か、勘違い、しない…。誰かが…好奇心で持っていったのかもしれないし…」
「?どうした」
弾かれたように振り向くと、政宗が心配そうにこちらを伺っていた。
「何か無くしたか?」
「大したものじゃ…」
「顔色悪いぞ?」
部屋に入り、戸を閉めた。
それはもちろん、が話しやすい環境を作るためだろう。
近づいて、のすぐそばに座り込んだ。
「何かあったなら相談しろ。」
「あの…今…お風呂入ったんだけど…上がったら…下着見つからなくて…どこに置いたかなって…」
心配かけぬよう、私って馬鹿だよね、と明るい声で付け足した。
すると政宗は困ったような顔をした。
「お前…ホント馬鹿だな…」
「ごめ…」
「なんでわざわざ興奮すること言うんだ?」
「えっ?」
政宗の手がの浴衣の襟を掴んだ。
軽く引っ張り、覗き込んで、あ、本当だな、と呟く。
「…え?」
「触りたくなる肌しやがって…」
「えっえっ…政宗さん!?」
「なんだ?」
「なんだじゃなっ…!!」
「抵抗されると、余計いじめたくなるんだが。」
指先でスルッと首筋をなぞられてビクッと震えた。
「可愛い反応じゃねえか」
「も、もしかして、政宗さんが私の下着取ったんじゃ…」
「取った?馬鹿。俺は脱がせる方が好きなんだよ。」
知ってるよな?と耳元で囁かれた後、優しく口づけを交わす。
「…政宗さん…」
「下着が取られたかもしれねえのか?ふうん…お前に好意寄せてる奴でもいるのかね…。でも、関係ねえよな?お前は俺のものだしな。」
「あっ…」
政宗が背筋をなぞり、胸に手を這わせる。
「顔真っ赤だな。俺に触れられてるからだろ?」
「っ…」
「抵抗しねえのな」
「だって…」
「だって、何だ?」
意地悪な口調でしつこく聞いてくるが、表情が優しくて抵抗する気になれない。
「…気持ちいい、から…」
素直に言えば政宗は嬉しそうに笑うのだ。
その顔が見たいと思ったって不思議じゃないだろう。
「ああ…俺もお前に触れるの、気持ちいい…」
「うん…嬉しい…」
政宗の腕にそっと触れた。
夜とはいえ急な展開だが、このままするのだろうか。
「…そういえば、なんで私の部屋に…なにか用があったんじゃ…?」
「用が無きゃ来ちゃいけなかったか?」
「用が無いのに来てくれたの?」
「嬉しそうに見上げるんじゃねえよ…」
浴衣の帯を外さずに触れられるから、脱いだ方が恥ずかしくないんじゃないかと感じるほど乱れている。
「この後は…用事、無いの?」
「…ある」
「え…あるんだ…」
それは意地悪ではなく本当に用事があるということは、いじけたように口をへの字に曲げる仕草から感じ取れた。
「…あの…じゃあ…」
浴衣を整えて、政宗を自室まで送ろうと思ったが、腕を掴まれ静止させられる。
「触らせろ…まだ大丈夫だから。」
「わ、私だけなんて…」
「お前の感じてる顔が見れりゃ…それと…」
言葉を止めると、今度は深く口づけられる。
口内に侵入した舌を素直に受け入れ、も舌を絡ませる。
「んん…」
「声が聞けりゃ…満足だ…」
「でも…」
「申し訳ねえとか思ってるなら、素直に鳴いて俺を喜ばせろよ。」
「…っ」
お前は俺のものだとすんなり言われたところから、の感覚はおかしくなっている。
ああ、自分は政宗さんのものだから、何も心配いらないんだと思えば先程までの不安は一気に無くなる。
誰に迫られても自分は政宗以外を想うことなどないのだろう。
「政宗さん…」
胸に顔を埋める政宗の頭を抱き、髪を撫でる。
先端に歯が当たったのに驚き、身をすくめる。
「か、噛まないで…」
「噛まれるのは嫌だけど甘噛みは好きなんだよな?」
「あっ…」
ゾクゾクと感じてしまい、もちろん政宗にそれがばれていると思うと恥ずかしくてたまらない。
「どうなんだよ?」
返事をしないと、強く噛み始める。
「い、痛い…!!優しく、優しく噛んで…吸われる方が…すき…」
「我儘だな。」
クスリと笑い、ちゅぱ、と音を立てて口を離す。
「こんなに濡らしてどうすんだ。用事があるから挿れられねえんだよ。」
「ご…めんなさ…」
「…俺の用事が済むまで待てるか?その辺の家臣連れてきてサカるなんてやめてくれよ?」
「しないよ!!そんなことしない!!政宗さんじゃなきゃ嫌だよ…!!!」
今まで恍惚とした表情だったが目を見開いてそう必死に訴えるので、政宗もさすがに言いすぎたなと頭を掻く。
「悪い。冗談だ。」
「政宗さんじゃなきゃ…嬉しくない…」
「!!」
の手が政宗の帯に伸びる。
手首を掴み、苦笑いを浮かべる。
「…やめろ。俺もギリギリなんだよ…」
「だめ…?舐めたい…」
「指で我慢してくれ…」
「…!?」
を壁に寄り掛からせ、脚を大きく開かせられる。
「あ…やだ…」
「自分の手で、脚開いてろ。」
「そんなの…」
「やってくれねえと…間違えるかもしれねえな…」
「!!!!」
政宗の指が下腹部を越え、臀部に向かう。
「こっちのほうが、気持ちいいか?」
全く濡れていない部位に指を当て、無理やり中に挿れようとする。
「や、やだ!!そっち、やだ…」
「じゃあしっかり持ってろ。俺に見えるようにな。」
「……は、い…。」
自分で太ももに腕を回して支えると、まるでご褒美のように政宗が頬にキスをしてくれた。
「政宗さん…はやく…」
「早く?」
「指で、いいから…挿れ、て…くださ…」
「早く、掻き回す方は…やったことなかったなあ?」
意地の悪い笑みを浮かべ、挿れると同時に勢いよく掻き回す。
「あっ!ああ!!やああっ…んぐ…!!!」
絶叫しそうになったの口を政宗の片方の手が押さえた。
「こら…声がでかい…」
「んっ…ふ…んんっ!!!んうっ」
涙目になるが、政宗は攻めるのを止めなかった。
「あっ…あ―…」
「ここ、好きだよな?ほら…締まってきた…」
「や…め…」
「すげ…溢れてきた…」
「もう、む、無理…無理…」
限界を知って、政宗はまたの口を塞ぐ。
もまた大きな声を出してしまう予感があったので、それを有り難く思った。
「っ―!!!あっ…ああっ…」
全身を震わせて、政宗に抱きついた。
指が抜かれる瞬間にぐぽっと音がし自分がどれだけ欲しがっていたかを感じたが、物足りないと感じるほどの余裕もない。
「はあ、はあっ…」
「可愛いのもいい加減にしろよ?」
「そんなこと…言わないで…」
「去れなくなるだろうが…」
「…お仕事終わったら来て…」
「無理させそうだから今日は来ねえ。」
「大丈夫だよー…」
変な所で気を使う政宗に笑いがこぼれる。
ぽんぽんと背を叩かれ、政宗もを抱き締め返す。
「やっぱお前が他の男とするとか、無理だな俺は…」
「…あ、朝の夢…まだ気にしてたの…?」
次の日、の部屋には下着がきちんと畳まれ置かれていた。
女中さんが脱衣所にあったものを脱いだものと勘違いして洗ってしまっていたらしい。
「良かったーお気に入りだったから…」
「俺もその柄好き」
「ぎゃあああなんで政宗さんまた私の部屋に!!!」
「用が無くても来て良いって話だったろ」
「ちょ、ちょっと厄介かもしれない!!!!」
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『ドSっぷりを発揮しつつセクハラする裏』とリク頂いたのですが…
ああヤワSな感じになってしまいましたー!!!
ででででもいつもよりは甘いんじゃないかと独断と偏見によりおもってま…え?だめ?
リクありがとうございました!!