「Nooooooooo!!なんだよこれもう嫌だCoolじゃねえよ何だよこの文はよ!!俺だって暇じゃねえんだよ!!!!」
丁度お茶を運んできた小十郎は、叫び声を上げる政宗にため息をついた。
「政宗様、文に芸術的な趣向を求めるのもどうかと…」
「そうじゃないんだよ小十郎さん…」
も政宗の隣でやたら疲れた顔をしている。
「何事だ?」
「上杉…綺麗な百合を見つけたのかなんなのか知らねえが文の3分の1が時候の挨拶だぜ…」
「いつきちゃんは3分の2がBASARA3に出れなくなった愚痴です。用件は年貢の件なんだけどね」
「いやそれもう愚痴が用件だろう」
「最上さんは7分の6が新しく手に入れた茶器の件です」
「それもう茶器の件の文じゃねえかあああああああああ!!!!!!」
「松永さんは今狙ってる茶器の件です。」
「それ最上の茶器だよな!?明らかにそうだよな!?」
やってられないと、政宗はごろんと横になる。
「それは困りましたな…まあ、こんな時期ですし、誰の文にどんな内容が来るか分かりませんから、とりあえず目を通していただきませんと…」
「分かってるんだけどよ…」
ちらりと目を向けた先には文の山。
もしかして他の文もこんな感じだったらどうしよう、つっこみ疲れて寝てしまうという心配が頭をよぎる。
「政宗さん、少し休みなよ。」
「…やることはたくさんあるんだ。俺が休んでどうする。」
「でも、今最優先は文を読むことでしょ?」
その通りだが?とに疑問の視線を向ける。
何か案があるらしい。
「私が、用件を書き出して別紙にまとめます。それを見て大体の概要掴んで効率よく読んでね。」
「…いいのか?」
「それまで疲れた頭を休めてください。」
「…分かった。見落とすなよ?暗号文でも含めてきそうな奴の文は別にしとけ。」
「かしこまりました〜」
ほう、と小十郎は感心してしまった。
自分が手伝えれば一番いいが、この後は用があって城を出なければならない。
が仕事を覚えてくれて、本当に嬉しく感じる。
「すまねえな。俺は少し出てくる。」
「はい。お気をつけて。」
「ありがとうな。」
小十郎を見送った後、政宗に視線を移す。
「ちゃんと、寝てるかなあ〜?」
じいっと見つめると、静かに寝息を立てている。
「よし」
信用して眠っているということだ。
気合を入れて、文に集中し始めた。
半分程目を通したところで、は一息ついてお茶を口にした。
「…政の件になるとまる写しになってしまうわ…」
話が難しくて簡潔にまとめることができない。
奥州筆頭の傍にいて仕事も見ているが、やはりまだまだ勉強しないといけないなあとため息をついた。
政宗はまだおとなしく眠っている。
突如、後ろから視線を感じた。
振り向くと同時に、ぽんと肩に大きな手が置かれた。
「こっそり侵入しちゃった」
「慶次っ!!どうしたの?」
「遊びに来たんだけど、政宗は寝てるみたいだねぇ〜」
はい、と包みを渡された。
お土産らしい。
「お茶淹れてくるね。政宗さんは疲れてるみたいなのでこのまま寝かせててね。」
「はいはーい」
おとなしい政宗が珍しいのか、慶次はじいいと観察していた。
がお茶を持ってきても、その光景は変わらなかった。
お土産の包みを開けて、中を確認する。
「あ、最中。ありがとう慶次。食べよ食べよ。」
「おう!!お茶頂くよ〜。、これ手伝ってんの?頑張るねえ。」
「まだまだだな自分…と思ったばっかりだよ…」
「えー?なんで?俺ならこんなの途中放棄で遊びに行くよ。」
「だって内容あんまり理解してないもん。」
「いーじゃん、政宗がいるんだから。それは政宗の仕事じゃん。」
「そりゃそうだけど…」
しゅんと落ち込むを見て慶次が笑う。
「そんじゃあ…ご褒美がてら…」
「ん?」
慶次がの後ろに回り込む。
「!!!!!!!」
「騒ぐと政宗起きちゃうよ?なんて…こういうのって燃えない?」
「も…もえない…!!」
を後ろから抱き締め、意地悪そうに笑う。
「少し、気を抜きなよ…」
「ちょっ…」
ぺろっと耳裏を舐められたかと思うと首筋に舌を這わせ始める。
これはやりすぎだとは抗議の抵抗をするが、慶次は止めようとしなかった。
ちゅっと皮膚を吸ったところで、慶次ははっとして顔を離した。
「やば…あ、大丈夫、痕付いてないよ」
「そういう問題じゃない…」
「あはは、政宗のために頑張るを見てたら意地悪したくなったんだから仕方ないだろ?」
「何言って…」
その時、政宗が寝返りをうった。
ぎょっとした慶次は、咄嗟に隣の部屋に逃げ込む。
技が飛んでくるとでも思ったのだろうか。
「ん…」
「政宗さん、起きた?」
「むう…」
ゆっくり起き上った政宗は、どこか悲しい顔をしていた。
「お前…」
「な、なんですか?」
「前田慶次と…付き合ってたのか…?」
「はあ!?」
実は起きていて、先程の行いを始終見られていたのかと思いぎょっとする。
自分は一応抵抗していたのに…
「お前が前田まつの衣装着て慶次にごろんごろんすさまじい勢いで甘えられてて、慶次は利家の格好してあははうふふ笑ってるのを俺は…」
「それは夢だよ。」
「最初はそんな趣味があったのかとどん引きしたが、俺はやっぱりお前が好きだから悔しくって…」
「いやだからそれは夢だって言ってるでしょもう後半嬉しい言葉が聞こえたけど突っ込みを優先させていただく!!」
「お前が誰を好きでも、いつかは俺を好きにさせる!!」
「政宗さん…そんなに」
「お、俺が、あ、あの利家の服着るからっ…!!」
「そんなに意を決して叫ばなくても!!!!」
困惑するだったが必死に自分を引き留めようとする、でも優しさが表れている言葉にどきどきした。
(ふざけんなとか、俺の方がいいに決まってるとか容赦なく言いそうなのに、政宗さん優しいなあっ…)
「ちょっとちょっと!!なんで良い雰囲気になっ」
「前田ァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!」
隣の部屋から顔をのぞかせた慶次に、政宗は顔面パンチをくらわせた。」
「容赦ねえええええええええええええええ!!!!!」
そして信玄公に殴られた幸村のごとく吹っ飛んで行った。
「ふう…」
「ふう…じゃないよ政宗さん!!慶次が戦闘不能にっ…」
「…」
先程の鬼の形相が嘘かと思うほどに優しい表情になる。
そしてに抱きついてくる。
「お前は…俺の傍にいればいいんだぜ…!!!」
「先程から言おう言おうと思ってたんだけど、政宗さん寝ぼけてないよね!?」
「寝ボケて…ない…の足がクラゲになったって…俺は…むにゃむにゃ」
「むにゃむにゃ言ってるけど!?クラゲにはなりませんけど!?」
「クラゲ…食べれる…いつかきっと…」
「クラゲの話になってますけど!?」
すうすうと、の胸でまた寝息を立て始めた政宗の頭を優しく撫でる。
「いつも、めちゃくちゃだなあ…」
そう言いつつも、可愛い寝顔をみればなんでも許せるような気さえする。
「慶次は、罰があたったと思って素直に受け止めてね…」
「…俺、鼻曲がってない?大丈夫?も容赦ねえよ…あんたらお似合いだと思うよ…」
よろよろと現れた慶次は、しばらくにちょっかいだすのは控えようと心に誓うのだった。
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うちの夢はリストラとか新規キャラとかおかまいなくやっていこうと今思いましたキリッ
湖泉さまより、「略奪愛」というお題で、昼ドラのようにドロドロしたものでも良いですが、個人的にはギャグ希望ということでしたので
ギャグで書き出したらあれっなにこれっな感じになりました!!
政宗のセリフだけ略奪っぽくしてみましたが途中略奪愛ってなんだっけと何度も思うだめだめっぷりでしたすいません光の速さで土下座です!!
リクありがとうございました!!こんなんで申し訳ございません〜〜!!