「小太郎ちゃん、お願いがあるんだけど…」
「………」
がかしこまって切り出すときの話はある程度予測できる。
だが、静かに次の言葉を待った。
「政宗さんが、次の戦でどうしても小太郎ちゃんに門番して欲しいんだって。」
「……。」
ため息をつきたくなるのを我慢して、小さく頷いてその場から消える。
「あっ…政宗さんのところに行ったのかな…?嫌ならいいって言おうとしたのに…早いなぁ…」
「すっげ睨まれてるよなぁこれ…。悪かった悪かった、に嘘ついたよ。お前だって隠居したわけじゃねぇもんなぁ、情勢なんか知ってるよなぁ…」
部屋にいた政宗は腕を組んで柱にもたれかかる小太郎に苦笑いを浮かべる。
「最前線で伊達軍として戦ってほしい。敵方に探り入れながらな。…なんて、お前なら簡単にやってのけるだろうが、に言ったら不安がるだろうよ。」
「…………」
「残念ながら天下の伊達軍は人手不足なわけだ。」
「……」
伊達軍が危機に陥ることはも危機に陥る。
断る理由がない小太郎は頷いたが、ひとつ約束事をしなければならない。
「の護衛はもちろん付けるが、忍でいいな?」
「……」
また頷いて、その場を去った。
「……報酬の件、まだ言ってねぇんだけど、消えちまうのかよ」
相当だな、と政宗は笑った。
戦は混乱を極めた。
一体何人が倒れているのか予測もつかない。
「…………」
そこら中から血の臭いがして、兵士の怒号や蹄の音は止む気配がない。
殺意、熱気、狂気が入り乱れる。
「……っ」
久々の戦に、嫌な予感がする。
勝ち戦だった、ということだけ聞いて、は小太郎を待った。
政宗も小十郎も笑顔を見せていたが疲れは隠せていなかった。
「激戦だったのかなあ…小太郎ちゃんまだかなあ…」
途中まで一緒だったということだったので、縁側に座って待った。
きっと小太郎のことだから、着替えて汗や血の臭いを消してからくるのだろうと考えた。
「明日になったりとか、するのかなあ…」
急な参戦だったが、戦の後処理とか、政宗に報告とかあるのだろうか。
「もう少し、待ってみよ…」
が室内に入っていくのを木の陰から見て、小太郎はほっとした。
今日はまずい。
一緒に寝ようと言われたら制御できる自信がない。
「………。」
戦での興奮がまだおさまらないのだ。
昂ぶって仕方のないこの状態は、一人で解消するのが一番いい。
「…!!!」
がっくりと首を垂れる。
が上着を羽織ってまた縁側に来た。
そして空を眺めたり、たまに草履をはいて庭に出て、屋根の上を見たりしている。
どうしてそんなに自分を待つのだろう。
もっと信用してくれと思うが、信用しているからこそひょっこりすぐに現れると考えているのだろう。
なのにこんな状態で、の元に行くことを躊躇っている。
「…………。」
こんな事態は初めてだ。
だが乗り越えて見せようと、小太郎は姿を現した。
が待っててくれてるのに、自分は一人で自身を慰めるというのも躊躇いがあって出来ないのだから仕方がない。
「あっ」
「…………。」
自分を見つけると、はすぐに駆け寄ってきた。
「おかえり!!」
そして怪我がないか、小太郎の体を確かめる。
「……。」
「門番、お疲れ様です!食事は?」
いらない、と、手を振って示した。
「疲れたよねー?装具外してるんだし、お風呂済んだんだね?今日はもう休んだ方がいいね。」
「………。」
頷いて、消えようとしたのとが腕を掴んだのが同時だった。
「…!!」
「わっ」
そんなことも予測出来なかったなんて、今日の俺の頭は相当やられている。
「び、びっくりした…ごめん、あの、ちゃんと布団敷いて、寒くない格好で寝てね、って言おうとして…」
「……。」
を、今日の寝床にしようとしていた小屋に連れてきてしまった。
「ここで寝るの?ちゃんと布団敷いてるね、えらいえらい」
は着地点となった布団をぽんぽんと叩いた後、あまりに無防備に、自分の頭を撫でる。
「戦の間、一人で寂しかったんだよ〜?一緒に寝ようよ〜なんて…」
冗談に聞こえるほどの余裕も、もう無かった。
「!!!」
の唇に噛み付くようなキスをし、その勢いのまま押し倒す。
「っ…うあ…!!」
が頭を打ち付けないように手を添えるのは忘れなかった。
一度唇を離すと、驚いた顔をした表情が見える。
「え…今…私…小太郎ちゃんと…き…キス…」
みるみる真っ赤になるを見ても、理性が今の昂りに勝てはしなかった。
「!!」
もう一度口付ける。
閉じたままだったの唇を無理矢理舌でこじ開け、のものと絡ませる。
「〜〜!!」
ぬるっとした感覚に、は小太郎の肩に咄嗟に手を当て、押した。
抵抗というには弱々しく、戸惑いが感じ取れる小さな柔らかい手が可愛くて仕方がない。
「…あ…ふ…」
どちらのものかも分からない唾液がの顎を伝ったところで、ゆっくりと離れる。
「……!!」
小太郎が困った顔になる。
だって子供ではない。
しかも体の知識がある。
「小太郎ちゃんの…硬くなってるね…」
積極的なことに、小太郎のものに手を這わせる。
「……。」
「戦で昂っちゃった…?」
「………。」
最悪だ。
好きだからと誤魔化せればよかった。
好きだから耐えられなくなったのだが、そんなの言い訳に聞こえるに違いない。
を欲求解消の為に組み敷いたと誤解されてしまう。
「…いいよ、小太郎ちゃん…」
「……!!」
首に腕を回して自分を求めるに、困惑する。
「しよ…?私小太郎ちゃんのこと好きだもん。求めてくれるなら、応えたい。」
「……!!」
そんなことを言われたら、もう耐えられなかった。
深い口づけをしながら、着物を脱がしていく。
顎にが手を添えたため、少し離れる。
「小太郎ちゃんも脱いでよ?私だけはやだからね…」
「……。」
「!!」
小太郎が勢いよく服を脱ぎだしたため、は どきりとした。
鍛えぬかれた引き締まった体は、見とれてしまうくらい美しく感じる。
そして同時に、今から小太郎に抱かれるという現実を目の前にして鼓動がうるさくなって仕方ない。
そして、自分なんかで小太郎を満足させられるのかという不安も感じる。
「あ…」
小太郎が胸に触れる。
優しい手つきで、時折舌を這わせ、の体から力が抜けていく。
「こたろ…ちゃん…」
の口からは甘い声が出て、徐々に息が荒くなるのに、小太郎に変化はない。
戦を終えても息の乱れない忍なのだから当然だとも思うが、は不安になってしまう。
自分はいいから、小太郎を気持ちよくしてあげたいと考えるが、なかなか行動には移せない。
『私がする…なんて言えないし…』
それに、絶対下手くそだ。
経験が少なすぎる。
「あっ…」
そう考えていたら、小太郎がの下腹部に手を伸ばした。
くすっと笑い、の耳に囁きかける。
―ここ、まだ触ってないのに…
「っ!!」
急に小太郎の指が入ってくるが、痛くない。
代わりに自分でも驚くくらいの水音がした。
「えっ…!!」
―興奮してるんですか?早く触って欲しかった?
「そんなこと…!!」
―濡れやすいんですね…
「ちょ…!!」
顔が真っ赤になる。
小太郎はさらに続けた。
―俺のが欲しい?我が主…
「っ…!!ひっ…!!」
言ったと同時に、指がの中をかき回す。
「あっ…あっ…まって…」
生理的な涙が滲む。
ぐちゅぐちゅと響く自分の音に耳が侵される。
「や、優しく、してっ…!!」
―こんなに溢れて喜んでるのに?
「違っ…!!やぁ…!!」
―嫌などとおっしゃらないで、俺はもう、限界ですよ…
なんでまた敬語なんだよーと叫びたくて仕方ない。
―ねぇ、命令を…
「ちょっと…!!」
―この後はどうして欲しいか、命令を下さい。主…
「や、止めてよそれ…!!」
まるでいけないことをしているみたいだ。
自分の欲求不満の相手を小太郎にやらせてるみたいだ。
「あっや、あ、あっ…!!」
小太郎の指がまた激しく動く。
このままでは指だけで先に達してしまう。
「こっ、小太郎ちゃんを…!!気持ちよく、させて、あげたい…!!」
「……。」
「私はいいからぁ…!い、いれて…!!」
「………。」
小太郎が指を抜いて、の脚を開かせる。
は必死に呼吸を落ち着かせ、力を抜こうとする。
「……。」
「…?」
すぐに来るだろうと考えていた感覚が来なくて、小太郎を窺う。
「あ…」
まだ挿れない状態で、を抱き締めてきた。
―…の感じている顔を見ているだけでも興奮する…
「っ…!!」
―自分の主を犯している感覚が、背筋をひどくざわつかせる…
「お、犯されてなんかない…!!合意の上でしょ…!!小太郎ちゃんが気持ち良ければ、それでいいよ…!」
あまりに頼りなさげな声が出た。
本音を言えば、小太郎が本気を出したら自分は壊れるんじゃないかと考えてしまう。
―…
「あっ…う…!!」
小太郎のものが入ってくる。
濡れてはいたが、圧迫感と痛みが全くないわけではなかった。
「っ…!!」
小太郎の腕を、力を込めて握ってしまう。
「……」
「小太郎ちゃん…」
一度合わせるだけのキスをして、離れる。
そしてゆっくり動き出した。
「あっ…あ…」
いつも守ってくれている小太郎に何もできないと自分に苛立ったときもある。
こんな自分を小太郎が求めてくれて、嬉しい気持ちになってくる。
「……!!」
悦べば悦ぶほど、の中は濡れ、内壁が厚くなり小太郎を締め付ける。
「……。」
「ふぁ、あ…!!」
小太郎が口を僅かに開けた。
呼吸が早くなっているのを感じる。
「小太郎ちゃんっ…感じて、くれてる…?」
「…………。」
「こた…あっ…!!」
小太郎がの腰を持ち上げさらに深く攻める。
「あっ!!やっ…!!奥、奥…!!やぁっ…!!」
「………。」
刺激に思わず目を開けると、小太郎が口角を上げた。
―…奥、好きですね…
「ちがっ…!!」
―違わない…。すごく締められる。
「あぁ…!!」
―もっとたくさんこうしていたいのに…
ぎゅうっと抱き締められると同時に発せられた言葉が、の紅潮した顔をさらに赤くする。
―もう、達してしまいそう…だっ…
「っ…!!」
「……。」
小太郎はを抱き締めながら、髪を撫でる。
「…小太郎ちゃん…」
は小太郎に寄り添いながら、腰に手をあてていた。
結局先に小太郎が達してしまったが、主を気持ちよくさせないわけにはいけないと、行為は続けられたのだった。
「?」
「私…忍じゃないからそんなに体柔らかくないのね…」
腰が反り返るような体位でされた時は、これは腰痛決定だとは思ったが、想像以上に痛みがある。
「………。」
でも、とても気持ちよさそうだった、と耳打ちされては、何も言えなくなるのだが。
「…いじわる小太郎ちゃん降臨だ…」
「……。」
「………。」
でも、出すときは外に出してくれたことを思うと、少しは気遣ってくれていたのかなとも思う。
「…まあ、可能性があることには変わりないから気をつけないとだけど…」
避妊薬ってあるのかなあとか
でも小太郎ちゃんの子供なら欲しいかもなあと思うあたり、自分の頭も相当沸いていると思う。
■■■■■■■■
どうも久しぶりに喋る小太郎書いた気がします敬語たのしい
いじわる小太郎で裏というリクを頂いたのでこんなかんじに…なりました
えろくないですごめんなさいぐすん
リクありがとうございました!!