小十郎はと休みを合わせ、馬を走らせて山を越え、とある町へと足を運んだ。
見聞を広めるという意識もあったが、気がつくとと楽しい旅をしているような感覚になるのだから困ってしまう。
楽しそうに笑うも同じ気持ちだろうかと、そう考えると、自然と笑みを浮かべてしまう。
「小十郎?」
「うるせぇ、せっかくの休みだってのに…」
―という幸せな気分は途中までだった。
は逆で、最初は小十郎との旅行が楽しかったが、途中から町の材質の良い鉄鋼に魅了されて職人魂に火が付き、小十郎のことそっちのけで同業の男たちと話をして止まらなくなった。
もちろん小十郎は嫉妬した。
男たちが、女でしかも、話が合うというか自分達より詳しいかもしれないに好奇の目を向け、途中から口説くような口振りをする男もいた。
気にくわない小十郎は、の手を引いてさっさと宿へ行き、さっそくを押し倒した。
「ごめん、怒ってるか?」
「ああ。は俺のものだ。だからさっきのはイライラするな。」
「…ご、ごめんな、小十郎…」
本当に怒っていることを感じて、組み敷かれた状態ではあったが小十郎に手を合わせて頭を下げ、謝罪した。
「…お前より、男共がむかつくんだ。」
「か、代わりに謝る…」
「それはもっとだめだ。」
まだ明るく、窓から日が射していたが、小十郎はの首元に顔を埋める。
舌先でペロペロと舐めると、くすぐったそうに身をよじった。
「こじゅ…」
「今日は少し、お仕置きしようか。」
「え…?」
「俺以外の男にのろけないように…」
「こ、小十郎以外に興味なんて…」
嬉しい一言だったが、小十郎は口づけをして言葉を切った。
の着物の帯の結び目をほどき、少し引っ張ると、察したが腰を浮かせる。
引き抜くと同時に唇を離し、小十郎はにやりと笑った。
「…?」
「仕置きと言っただろ。」
の目に帯を当て、後頭部で結ぶ。
「…え?」
目隠しをされ、困惑するは口元を不安そうに歪ませた。
には、そんな姿が可愛いと、静かに笑う小十郎の表情は分からない。
「安心しろ…ひでぇことはしない。…愛してる。」
に覆い被さり耳元で囁くと、ぴくりと反応を示す。
「?」
「いつもより…小十郎の声が頭に響く…気がする…」
顔が赤くなるので、不快ではない感情というのはすぐに分かる。
「そうか…」
「!!」
胸に手を這わせると、さっそく小さい吐息を漏らした。
「…俺はまだそんなにお前を淫乱にした覚えは…」
「い、淫乱ってなに!?だって全然何されるか分からなくて…!!」
「…感じるのか?」
立っている乳首を吸うと、体を少し捻って甘い声を出す。
「小十郎…目隠し取る…」
「まだだめだ。」
取ろうとする右手を掴み、小指を軽く口に含む。
言うこと聞かないと手足も縛るぞ?と囁けば、は大人しく手を下した。
「こういうのが好きなの?小十郎は…」
「さあなあ。まあ俺はお前となら何でも好きだぜ?」
パタリと、何かが畳の上に落ちる音がする。
その後抱きしめられると、肌と肌の触れ合う感覚から、小十郎が着物を脱いだ音だったことを知る。
「…」
名を呼びながら、頬や額や耳や首に口づけを落とす。
小十郎の頭を抱え込むようにし、も名を呼ぶ。
「あ…あ…」
徐々に愛撫が激しくなり、は眉根を寄せた。
下腹部に手を伸ばされると、ぴちゃりと水音がする。
「ぐちょぐちょだぞ……」
「ご…ごめんなさいいいい!!!」
「??何で謝るんだ…」
「だって…だって淫乱ってそういうことなんじゃ…」
数度、内腿を撫で上げた後、脚の間に顔を埋め、陰部に舌を這わせる。
「えっ…え!?こじゅ…今何して…?」
気づくのが一瞬遅れ慌てて上半身を起こしたが、急に音を立てて吸われ反応する。
指を挿れられ中をかき回されると、脱力してしまい、大人しく寝そべった。
「んっ…んん…」
「俺だから、こんなに濡れてるんだろう?嬉しいぜ?」
「っ…う、ん…小十郎だから…小十郎じゃなきゃ…」
うわ言のように話すが可愛らしく、小十郎は体を起こした。
「前戯が長いと、お前バテるの早いんだもんなあ…。」
「え…?あ…」
指が抜かれ、別のものがあてがわれる感触がある。
「挿れるぞ?」
「うん…」
少々のきつさはあるが、いつもよりはスムーズに受け入れられていく。
だがは苦しそうに息を漏らすので、声を掛けた。
「あ、ああ…」
「痛くないか?」
「大丈夫だよ…」
根元まで挿ったところで一度動きを止め、乳房に手を伸ばして先端を口に含んだ。
「こじゅ…小十郎…?」
「なんだ?」
「ちゃんと、覚えてるよ…?」
何のことか分からず、小十郎は顔を上げた。
「…小十郎のこと、匂いも、空気も…分かるよ?遠くに居ても小十郎だってわかるよ?」
「そうか…俺も…」
「小十郎が居ないときだって、小十郎のことばっかり考えてるんだよ?小十郎以外の男性好きになる余裕なんてないよ…」
「…」
“俺以外の男にのろけないように”と言った言葉をは気にしていたようだ。
「それとも…普通の人は…小十郎は違うの?すぐ他の人を好きになれるの?私が小十郎に執着してるだけなの?」
今にも泣き出しそうな声色に変わり、小十郎はを見下ろし、ふっと微笑む。
ゆっくりと、目隠しを外した。
目を開けると目の前に小十郎の顔があり、は恥ずかしさから目をそらす。
「俺もお前の事をよく考える。会いたいとも思う。」
「!!こじゅ…っつ…」
の言葉が嬉しくて、小十郎の余裕が徐々に無くなってくる。
「こじゅ、ろ、ちょ…ちょっとだけ、痛…」
「そうだな…さっきから奥に叩きつけてるもんな?」
「ふ、う…う…こじゅろ…」
「やめて欲しいか?」
「つ、続けて…小十郎の…気持ち良さそうな顔…見るの、嬉しい…」
「…お前は本当に…」
口元を上げて小十郎が微笑む。
「どっちが本音だ?俺に気持ち良くなって欲しいのか?それとも痛いのが好きなのか?」
「痛いの好きって…そんなわけなっ…」
「どーだか…」
小十郎の腕に添えられていたの手を小十郎はやんわりと掴んで離させる。
挿れたままの体を反転させてうつ伏せにし、背中で腕を交差させる。
は無抵抗だったが、こちらに向ける視線から不安が滲み出ていた。
先ほどの帯で今度は手を軽く縛り上げる。
「…こじゅ…」
そしてまた動き始める。
「…はっ、…どうした?さっきより随分締め付けが良いぞ?」
「気のせい…」
「気のせい?じゃあ止めるか?」
「〜〜…今日の小十郎は意地悪だ!!」
の目は潤み、頬を紅潮させ、意識的か無意識か腰を動かしている。
これで感じていないわけがない。
小十郎はに覆い被さり、耳元で囁く。
「掻き回されて気持ち良いんだな?」
「っ…」
「縛られて俺に無理矢理されてる感じが良いんだろ?俺に求められている感じが。」
「い…意地が悪い…こじゅ…」
動きを止めて、ぐぐっと押し込むと小さな悲鳴を上げた。
直ぐに額を畳に付けて恥ずかしそうにしていた。
「小十郎に…」
「なんだ?」
か細い声だったので、小十郎は静かに続きを待った。
「されるの…嬉しい…求められるの、嬉しいよ…?」
「…それで?」
「い、いっぱい…して欲しい…です…」
観念したような口振りだった。
小十郎は更に続けて問う。
「何をだ?」
「っ…」
まだ欲求より理性の方が勝っているは、躊躇ってしまう。
しかしゆっくりと、口が動いた。
「いっぱい…小十郎ので…私の中…掻き回して欲しい…」
「まぁ、にしちゃ上出来かな…」
言えたご褒美だと言わんばかりに、のうなじや背にキスを落とす。
「俺じゃなきゃ駄目なんだろ?」
「小十郎じゃなきゃ嫌だっ…あ、あっ…」
激しく腰を打ち付け、二人の息が荒くなる。
「…中に、出すからな…?」
「う、ん…うん、こじゅうろ…」
の体を後ろからぐっと引き寄せ、限界まで中を侵し、果てる。
「っ…」
「あっあ…ん…」
しばらく、息が整うまで二人はその体勢のままだった。
小十郎が先に言葉を発する。
「……すまん…縛ったりしてな…」
「…謝らなくていいよ?小十郎にされるなら…私は…」
ゆっくり引き抜いていくと、の体がぶるぶると痙攣した。
「大丈夫か?」
「う、うん…」
恥ずかしいのか、顔を上げないを優しく起こして後ろから抱きしめる。
「…」
頬にキスをすると、は額をそっと手で覆った。
「………。」
「…額に畳の跡が付いたのか?」
「…絶対ついてる…」
そっと手を退けると、小十郎が笑う。
は口を真一文字に結び、小十郎に抗議の視線を送る。
「すまないすまない、今度は向かい合ってしような?俺もお前の表情が見えないのは寂しかったぞ。」
「今度って…」
「これから風呂に入った後にでも…」
「やだー!!明日も観光したいのに立てなくなる!!」
「そのときは明日もずっとしていようか」
そんなことを言ってはははと笑う小十郎が本気か冗談か分からず、は、男性にやたら近寄ることは危険だ小十郎のことは怒らせないようにしよう…と密かに決心していた
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刀鍛冶ヒロインとSこじゅ裏ということでリク頂いたのですが…
とっても裏夢下手くそ管理人ですこんばんは!!超すみません土下座!!!!
リクありがとうございましたー!!!!