***何か生えちゃった夢***




は小十郎の農作業を手伝った際に使ったタオルを畑に置き忘れてしまった。
しかし気付いた時はすでに夜になってしまっていたので、は小十郎に付いて来てもらい、取りに行くことにした。

「明日でもいいのに。」
小十郎は苦笑いを浮かべた。
「そういうわけにも…借り物を忘れたなんて私最悪…!!」
「そんなことないさ。よくあることだ。」
「…小十郎さんは優しいなぁ…」

夜の冷気にフクロウの声や木のざわめく音が聞こえ、一人歩きは怖くて小十郎に一緒に来てくれとお願いしたのだった。

「まぁ、見回りがてら、との散歩もいいか…」
「…ありがとうございます…」

畑に着くと、は昼間休憩した場所に走り寄った。

「ありました―!!小十郎さん!!」
「良かったな。、冷えるだろ?早く戻ろう。」
「はい!!…あ…」
「?」

がいきなり夜空を指差した。

「何か飛んでたか?」
「そうじゃなくて〜…星、いっぱいで綺麗ですね!!」
「そりゃ、雲がなけりゃ星は見えるだろ?」
「…あ、…まぁ…そうですね…」

都会の空と比べてしまい、は間違えてしまったと思った。
小十郎にそんなことを言ってもピンとこないだろう。

「…あ、流れ星…」
「え!?」

小十郎がボソリと言ったのをは聞き逃さなかった。

「うそ…!!乙女ちっくにお願い事したい…!!」
「また流れるんじゃないか?」
「そうですか…じゃあお願い事考えて…」
「あ!!!!」
小十郎が空を指差した。
その方向に流れ星を見つけたのだろうと咄嗟に反応し、は願い事を叫んだ。

耳!!!

「……耳…?」
「…あれ?」

なぜそんな単語がでてきたのか自分でも判らない。

「……。」
「…、帰ろうか」
「…はい」

とりあえず聞かれたのが小十郎でよかったと思った。



















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いいかげんな序章ですいません