***願望夢***
と小十郎が一緒に部屋に籠ったきり出てこない。
政宗は何をしてるんだろうと気になり、行ってみることにした。
「小十郎は願いはなんだって聞かれたかな」
小十郎は何を願うのかも気になって仕方がない。
部屋の前まで来て、障子に手をかけようとしたとき、の声が聞こえてきた。
「あ、ちょっ…小十郎さん…それ…おっきい…」
!?
「…どれのことだ?」
「わ、判るでしょ―?それ…だよ」
「じゃあ抜くか?俺はいいと思ったんだが…」
な…
「あ…じゃあ待って…ならこうした方がいいかな…あっ…いたっ…!!」
「!?大丈夫か?」
「大丈夫…」
なに…
「それより続きしよ?」
「無理するな。少し休もう。」
「で、でも…小十郎さん、早く終わりにしないと次の仕事…」
「俺はそこまで薄情じゃない」
なにしてんの…
「お、おいおいおいおい…」
二人はそんな関係だったのか!?
いつの間に!?
いや、そりゃ仲良かったが、俺に隠してそんな事…
「…まさか…」
まさか
まさか
小十郎の願いは……!?
「てめえらあああああ!!!!!!何してやがる!!!!!」
バアン!!と障子が壊れそうなほど勢いよくあけると、と小十郎がびっくりしてこちらを振り返った。
「政宗様!?」
「政宗さん!!!!」
「あれ」
二人して両手を広げて上下に動かし、慌てて何かを懸命に隠している。
もちろん二人とも着物を着ている。
「いや、結構見えるぞ?なんだ?花を活けてたのか?」
一本やたらと大きなゆりが刺さってる。
先ほどおっきいと言ってたのはこれか。
「まどろっこしい…」
「ばれちゃったねー、小十郎さん…」
「ああ、まあ、仕方がないな」
「?」
も小十郎も残念そうな顔をした。
「政宗さんに、プレゼントしたかったんだよ」
「は?」
「願いは何かと聞かれまして…思いつかなかったので、政宗様に野菜以外の何かをたまには渡したいと言ったら、花でもやったらどうだと、目の前に花がたくさん現れて…」
「小十郎さんは、色彩センスがとっても良いの」
「はばらんす、を考えるのが得意なようで、一緒にやっていたのです」
「…ああ、そう」
が指を押さえてるのは剣山に触ってしまったのか。
「大丈夫か、、指」
政宗はの前に座り、手に触れて指を広げさせた。
「ちょっと刺しただけ」
「…ちと血が出てるな」
懐から布を出して、細くたたんで縛った。
「ありがと、政宗さん」
「いいや。こちらこそ、悪いな…」
政宗は二人のまだ途中の花をじっと見た。
「ありがたく頂いてやんぜ」
陶製の花器をひょいっと持ち上げ、政宗は行ってしまった。
「あれ」
「え」
と小十郎は急いでその後を追った。
「政宗様ー!!!それ途中ですー!!!」
「おう」
「それそのまま飾るの!?」
「おう!!飾るぜ!!」
「そんな中途半端なものを!?」
「おう!!城にいる奴にも来客にも、お前らが作ったって言って見せてやる!!」
「ちょー!!!!!?羞恥プレイ!!それ羞恥プレイ!!!」
「おう!!」
「政宗様やめてくださいー!!!!!」
「俺に勘違いさせた罰だ!!!」
勘違い…?とと小十郎が首を掲げた。
「大丈夫だぜ…きっと皆、よく出来ましたねーって言ってくれるって…」
「政宗様俺を幾つの男とお思いで!?」
「私も幾つだと思ってるのよー!!そんな…城の皆や幸村さんや佐助や慶次や元親や元就さんに褒められるなんて…ああ!!凄くいいね!!!!」
「!?それは褒めると言う名の侮辱だぞ!?喜んではいけない!!」
そんな会話をしてると政宗の部屋に着いてしまい、政宗はよいしょと言って、花を飾った。
「「……」」
何とかして取り返そうと、政宗の隙を窺っていたのだが、政宗がにこにこしながらそれを眺めだしたので、手が出せない。
「「…………」」
プレゼント…素直に嬉しかったんだろうな、と思うと、もうこれ以上なにも出来ない。
「…小十郎さん」
「ああ、…」
「羞恥プレイも慣れればクセになるかもよ」
「それは嫌だな…せめて一緒に耐えようね、と言って欲しかったな」
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今回幅広くキャラに手を出せなかった…!!