「というわけで―王様ゲーム始めますよ―」
「何がというわけでだ」
政宗がをどついた。
「話始まって早々殴らんといて―。政宗さんは確かに王様というより女王様ですが。」
「あン?ケンカ売ってんのか?」
「まぁまぁ政宗殿」
の間に幸村が割って入った。
「もう皆集まってる事だし、何やら楽しそうではないか」
「集まり良過ぎて気持ち悪いぜ」
誰がいるかというと
甲斐の屋敷をお借りしまして
、政宗、小十郎、幸村、佐助、元親、元就、小太郎とカッコいい所が勢揃い。
「それで、王様げぇむとは何だ」
元就さんはしかめっ面です。
「よくぞ聞いて下さいました!!ここに数字と、王様と書かれた棒がございます!!これを引いて、王様が当たった人は、皆に命令できるんだよ―」
「命令でござるか?」
「何でもいいのか?」
「え―、皆さん偉い人なので、国が関わる事は無しとします。命令は数字で指定してね!!誰に当たるか判らないドキドキ感も楽しみだから!!」
「つまり―、三番の奴、腕たて千回、とかだね?」
「…そうだけど、私居る事忘れないで」
さらりと怖い事を言う佐助に、発案者のは不安になってきた。
が少しドキドキしながら、棒を竹筒に入れて、みんなに差し出した。
「せーので引くんだよー」
「OK」
「わくわくしますな!!」
「お手柔らかに頼むよー」
「…ふん、覚悟しろ。………元親」
「俺限定!?」
「……」
皆で棒に手をかけますが
「…小十郎さん?」
「どうした小十郎」
小十郎は胡坐をかいて静かに座ったままです。
「…わずかな確率でも、俺が政宗様に命令しなきゃならねえ状況になるかもしれねえんだろうが。そんなことはできねえ」
「、俺両手で引くわ。左が小十郎の分な」
「了解!!」
「ええ!?」
と政宗はすぐに対処しました。
仕切りなおして
バッと全員で引いて
すぐ隠して
「ええとー…王様だーれだ!!!」
「…………」
静まり返ったので
「あ、じゃあ小十郎さんか。政宗さん、左手の見てよ」
「おう…ああ、小十郎がKingだ」
「早速ー!!!!!?」
がっくり肩を落とす小十郎の頭を小太郎が撫でて慰めた。
「はい小十郎さん!!何!?」
「大丈夫だぜ小十郎…!!言ってみろよ!!」
何だかと政宗はわくわくしています。
…新鮮なのか!?
命令して欲しいのか!?
「まあまあ片倉殿、遊びでござるよ。某は佐助に命令されても平気でござる。政宗殿も同じ気持ちでござろう」
幸村は小十郎ににこにこと笑みを向けた。
黒いオーラが見えないので本心だろう。
「…三番が…」
「何だと?」
ぴくりと元就が反応しました。
三番みたいです。
「…命令言い終わってから名乗って欲しいなあ…。まあ、いいか…」
は何だか投げやりになってきました。
「………」
「おお、片倉殿が止まってしまった」
「元就サンって判ったから先進めにくいんだろうねー」
「じゃあやっぱり王様に気遣って、名乗るのは命令終わってからね」
「Hey、小十郎何でも構わねえ、言えよ」
小十郎は頑張って考えました。
「…五番に茶を注いでやれ…」
それぐらいしか言えませんでした。
「どうしたんだ小十郎…!!俺の足を舐めろぐらい言えよ…!!その声で…!!!」
「そうだよ小十郎さん…!!元就さんを落としちゃいなよ…!!俺を楽しませろ、ぐらい言ったって…!!その声で…!!」
「俺がそんな事言うのが聞きたいですかー!?」
「「聞きたい…!!むしろ言え…!!」」
「ー政宗殿ーそういうのは奥州で暇なときやってくだされー」
幸村はのほほんと二人を止めに入った。
「片倉さん!!俺五番だから!!元就にはなかなかな命令だぜ!!」
「…なに?」
元親が"五"と書かれた棒を、小十郎に向けた。
「…我が…この阿呆に茶を…!?」
「…元就…そんなに衝撃受けなくたっていいじゃねえか…」
元就はショックなようです。
「はい、お茶」
いつの間にか佐助が湯のみと急須を持ってきました。
「…く、屈辱…!!!」
「そんなに!?俺なんだか泣きそう!!!」
歯ぎしりをしながら、元就は元親にお茶を注ぎました。
元親はお茶を一気に飲んで、大丈夫俺は一人じゃないぜ…と自身を励ました。
「なんだか武将らしくないぜー?もっとハードな命令しようぜー?」
政宗はつまらなそうです。
「政宗さんが王様にならない事を祈ろう…はい、もう一回!!棒戻して!!」
からんと戻すと、今度は小十郎も棒を掴んだ。
何かが吹っ切れたようだ。
「あははーじゃあいくよー!!王様だーれーだ!!」
「あー!!!俺様ー!!」
今度は佐助です。
「佐助命令ー!!」
「はいはいー!!二番の人ー!!四番に膝枕してもらってー!!このげーむ、終わるまで!!」
この命令に、男全員が冷や汗をかいた。
「おい!!正気かおまえ!!こんな男だらけのとこでそんな命令…!!」
「だから楽しいんでしょうー?王様は!!」
「てめえ!!」
「私二番ーやったあー!!膝枕ってしてもらったこと無いー!!」
「ええええ!?」
が嬉しそうに挙手をした。
「某四番ー!!!!!!!助かったでござるー!!!!!!!!!!!!」
幸村は舞い上がった。
「あ、旦那だったの?」
「そうでござる!!!驚いた…!!!!佐助謀反を起こすのかと…」
「起こさないよーむしろ褒め称えてーってか羨ましいなおい」
が立ち上がり、幸村の元に行こうとすると
「……」
「小太郎ちゃん?」
小太郎がの腕を掴んで止めた。
「小太郎ちゃん、大丈夫だよー?膝枕だもん」
「!!判ってねえなあお前は!!」
「え?」
政宗も文句があるようだ。
「あーゆー経験無さそーな奴はあぶねえんだよ!!すぐ勃ちそ…」
「政宗様!!!!」
「だって膝枕だぜ!?の頭が」
「しししし失礼な!!政宗殿!!!!!某、自制くらいできる!!」
「自制とか言ってるじゃねえか!!!!」
は構わず幸村の隣に座った。
「みんな何言ってるの?幸村さんは私のことちゃんと気遣ってくれるよ…!!」
「!?おおおお前俺らの会話理解して言ってんの!?いいの!?お前は天然純情ポジションのはずだ!!隅で??って首傾げてるべきだ!!」
政宗が変な心配をしました。
「…!!ど、どうぞ…!!硬いかもしれぬが…」
「旦那!?なんだかいろんな意味に取れる発言はやめてくれない!?大腿がだよね!?それ以外は大丈夫だよね!?」
佐助も変な心配をしました。
「幸村さんは急に立ち上がったりしないよねー?足痺れたら言ってくれるよね?」
「もちろんでござるよ?全く、皆は某を何だと思ってるのか…」
あ、なんだあ、勘違いパターンだあーよかったあー
その場に居る全員が安堵しました。
が横になり、膝枕開始です。
「わあ…幸村さん…すごい…硬い…」
「大丈夫でござるか…?気持ちのいいものではないだろう…?」
「ううん、そんなことないよ。鍛えてるんだなあって…男の人って感じ…。…それに、嫌じゃないよ…」
「…」
「「「「「「…………」」」」」」
政宗と小十郎は刀を握り
元就は輪刀を装備し
元親は碇に手をかけ
そんな四人を見て佐助と小太郎が止めに入った。
「ちょ、ちょっと!!他意無いから!!!!」
「Shit!!あるように聞こえるんだよ!!!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「小太郎…があんな発言させられているんだぞ?ここはこっちにつくべきだろう…?」
「我はこの阿呆に茶を注いだのにこの差は何だ!?」
「もうこんな扱いやだ!!元就酷い!!俺もに癒されたい!!」
ぎゃいぎゃい騒ぎが始まって、王様ゲームが続けられなくなってきました。
「…あれー…どうしよう?」
「げえむ終わるまでこの状態…これは…終わったのでござろうか?」
「でもみんな、棒持ったままだし…」
と幸村は困ってしまいました。
「…じゃあ、もう少しこの状態でもいいかなあー?」
「構わぬよ。好きなだけ居てくだされ」
「ありがとうー」
幸村が仰向けになったを少し覗き込み、の髪を撫でた。
「今度はに膝枕して欲しいでござるー」
「いいよー?じゃあ交換しようー?」
「うむ!!」
周りで喧嘩が始まりましたが
幸村との周りはずっと二人の世界ほんわかモードでした。