今日は青葉城に、幸村と佐助が来ていた。

「道中お疲れさん。休んで行けよ。」

政宗は二人を客間に案内した。

「んー、俺様はこれ届けに来ただけだけどー」
佐助は懐から信玄からの書簡を取り出した。
「某は、ただ付いてきた!!」
「それなんだよねそれが謎なんだよね何でついて来たのさ旦那」
「政宗殿と決闘できる機会だ!!それに殿にも会いたいのだ!!」
「…つまり、休むべきだね。竜の旦那、失礼しますよ」
「おうよ」

ククっと笑い、政宗はを呼んでくるよう、女中に言いつけた。

客間に座布団がすでに用意され、政宗に促されるまま、幸村と佐助は座ろうとした。

「そっちは変わりねえのか」

政宗に問われたので、それに答えながら

「お館様はいつもどおりの」

座ると

ぶううううう

「「「………」」」

何か音が…

「…幸村、腹の調子悪いのか?」
「旦那、大丈夫?ちょっと眠って休んでから決闘するとか…」
「ぎゃああああ何それええええええ!!!!!!!笑え!!笑ってくだされー!!!そんな目を向けるなー!!!!!!!!!」
幸村は顔を真っ赤にした。

「某ではない!!なにか、座布団の下に…」

幸村が座布団をひっぺ返すと

「…な、なんだ?これは…」
「ふふふ…ぶーぶークッションですよ幸村さん…」

が障子戸をわずかに開け、顔を出した。

「びっくりしたー?」
「俺まで驚いたぞ…
「政宗さんも?あはは、ごめんねー」

佐助は、今日のはいつも以上に不思議な雰囲気だなと思った。
嫌な予感がした。

「…
「なに?佐助」
「この類のいたずらを他にもしてるだろう?」
「えー?ばれた?」
「えええええ!?」

過剰反応したのは幸村だった。
今のがとてつもなく恥ずかしかったのだろう。

殿ー!!!他には何を仕掛けたでござるか!?」
「…見つけてからの…お楽しみだよ…」
「怖いでござるー!!!肝試しより怖いでござるー!!」
「涼しくなるねえ…ふふふふ…」

は去っていってしまった。

「幸村、落ち着け」
「政宗殿はどこに仕掛けてあるか判るのか!?」
「あいつは驚く姿みて楽しんでんだろ…だったら、の気配があるところに仕掛けがある。そこを気をつければいいんだ。」
「なるほど…!!!」

幸村の目に、政宗がとても頼もしく見えた。


「政宗さま、来客がいると聞き…って、お前らか…」
「お前らかってなにさ、片倉さんー」

今度は小十郎が顔を出した。

「おう、小十郎、なにかおかしなもんは見なかったか?」
「…おかしなもの、ですか?」
が何か仕掛けやがった。気をつけろよ」
が?はは、それはそれは…」

クケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケ!!!!!!!!
「「「!!!」」」

「可愛らしいことをしますなあ」

三人はビックリして肩をすくめた。

「小十郎…?」
「はい」
「今どこから声を出した?」
「あー…はは、政宗様には敵いませんなあ」

…いや、みんな気づいたよ。

にこれを、頂きまして…」

小十郎は懐から小さな袋を取り出した。

「叩くと、陽気な笑い声がするんですよ」

…陽気でしたか…?

「恥ずかしながら、この小十郎、馬鹿笑いというものをしたことがございませんでしたから、政宗様がもし凄く面白いことをおっしゃられたら小十郎はどのように対処できるのだろうとふと心配になりまして」
「こ、小十郎…お前なんつー心配事をお持ちだ!!!?」
「…政宗殿、冗談を言うのか?」
「違っ…!!の影響で最近つっこみをしたり…」
「親父ギャグ的なものはー?」
「しねえよ馬鹿!!!!」
にそう言ったら、ならばとこれを頂きました。これであたかも小十郎が馬鹿笑いしたように見せかけ…」
「いらねー!!小十郎!!おまえはそのままが一番だ!!」
「ま、政宗様…!!」

小十郎は、もったいないお言葉…!!と頭を下げた。

「竜の旦那…!!これは思いのほか、の優勢だよ…!?」
あの野郎…!!小十郎、はどこ行った!?」
「さあ…部屋ではないでしょうか…?」


に、いたずらを止めるように言おうと、部屋に皆で向かうことにした。

「うああああん!!殿!!殿ー!!」
「なんだ!?成実!!」
成実が突然叫びながら走ってきた。

ちゃんに怖い話聞いたー!!今日眠れないー!!!」
「……」

情けねぇ…と政宗は正直思ってしまった。

「どんなものかといいますと!!」

成実は話す気だ。
巻き込む気だ。

「ぎゃー!!成実殿!!某まで眠れなくなるー!!!」
「口裂け女ってのがいてね…」
「裂けてるでござるか!?怖いー!!!!」

「「「……」」」

政宗と佐助と小十郎は

おまえら人の首撥ねた事あるだろうが…
もっと怖いもの見てるだろうが…と思っていた。

「私、綺麗…?って聞いてくるんだって…!!」
「な、なんと破廉恥な…!!!」
「綺麗って言ってやらなきゃだめだぞ!?」
「そんな破廉恥なこと言えぬー!!!言えなかったらどうなるでござるかー!?」

こういうところでも幸村の頭から破廉恥だという思考は消えないようだ。


「…どうしたんでしょうね、は…」
「…反抗期か!?」
「いや、終わってるでしょう。おそらく…」

今まで一度に多くの悪戯をしたことが無かったため、無駄に不安になってきた。

「政宗様、説教は、理由を聞いた後で…」
「判ってる」







「…しんどいー…」
「……」

は、布団で寝ていた。
小太郎がずっと腰を撫でていてくれていた。

「ごめんね…小太郎ちゃん…」
「……(ふるふる)」

は生理痛が酷かった。

「…情緒不安定も相まって…なんかねー…男はこんな痛み知らないだろうなーって思うとねー…」

なんだか悔しい、と思ってしまったのだった。

「……」
「…判ってるよ、小太郎ちゃん…政宗さんたちは違う痛みをいっぱい持ってるもんね…皆に当たっちゃいけないって、判ってるはずなんだけど…」
「……」

小太郎には、の今の痛みは判らないけど

「……」
「…ん?」
はやく元気になってねと、笑いかけた。
「…ありがと…」
「…んだよ、調子悪いならそう言えよ」

ばん!!と障子が開いた。

「…皆さん〜…」
「腰が痛いのでござるか?」
「…うん」

幸村は女の子の日の事についてはよく判らないようだ。
とりあえずの横に座り込んだ。

「感情が乱れてるなら大人しくしてろよ」
「すいません…」

「大丈夫?ちゃん!!」
成実ものもとに一歩踏み出すと

「ぎゃあ!!」
「え!?」
びたーんと成実が転んだ。

「し、成実さん…!!大丈夫…!?」
「痛ーい!!何かに突っかかった!!ちゃん!!また何かいたずらした!?」
「そ、そんな…!!してません…!!」
「成実様、大丈夫ですか…う、うぐ…!!」

小十郎が成実に駆け寄ったが、成実の横で苦しそうにお腹と口に手を当てた。

「小十郎さん!?」
これにはさすがに驚いてしまい、はがばっと起き上がった。

「気持ち悪い…!!…何か撒いたのか…!?」
「してないです…!!どうしよう!!何かテロ!?」
「うわあああああ!!!!」
「きゃああああ!!!!」
がたーんと音がして、天井から佐助が落ちてきた。

ってば…!!屋根裏にまさかあんなものを仕込んでるとはね…!!」
「何もしてないよ私ー!!それ何ー!?何があったの!?」
が涙目になってきたので

そこで

「HAHAHA!!!!騙されたな!!!」
政宗が心底可笑しそうに笑った。

「…え」
幸村と政宗を見ると
「全部嘘でござる」
「ドッキリだ」

「……え」
成実と小十郎と佐助を見ると
ちゃんごめーん」
「すまなかったな」
「まー、お返しというか?驚いた?」

「…………えー」
一気に気が抜けて、は布団に伏せた。

「馬鹿野郎…最初に始めたのはお前だろうが」
「だからってー…」

政宗がに近づき、顔を覗き込んだ。

「悪かったなー。さらにイライラしたか?」

政宗がに手を伸ばすと

「とりゃ!!」
「っおい…!!?」
が政宗の手に咬みついた。
といっても軽く甘咬みだったが。

「……?」
「政宗しゃんにいたずらしてやりゅ!!」
「いたずら…」
「いたずら!!」

政宗の顔を上目遣いで見つめながら指咥えこんで

「…サービスにしか見えねぇ…」
「え、なに!?」
「く、く、口に、含むなど…」

破廉恥でござるー!!!!!と、城に幸村の声が響き渡った。

は必死に耳を塞ぎながら、もう憂さ晴らしにいたずらなど止めようと心に誓った。












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宴会グッズでいたずら、ということで
シチュエーションが宴会じゃなくてすいません!!
そしてこういう話が駄目な人もすいませんでも書きたかった…!!

リク本当にありがとうございました!!