騒がしい本丸に、と半兵衛が足を踏み入れる。

「秀吉、大丈夫かい?」
「大事無い!!」
「慶次ー!!負けそうー?」
わあああああ!?

秀吉は口元を手で拭いながら、慶次は心底驚いた顔をして言葉を叫んだ。

!?なんでここに!?」
「ずっと居たよ?」
「気付かなかったのか、慶次君。」

は慶次に向けてへらへらと笑う。

「姉ちゃん〜!!」
柔らかな空気のに、武蔵が駆け寄る。

「キッ!!」
夢吉も喜んでに向けて手を伸ばした。

「武蔵君、慶次の言う事ちゃんと聞いた?」
「あいつのいうことでたらめだらけだ!!慶次がおれの言うこと聞いたほうがいいとおもう!!」
「武蔵!!道に迷った事か!?一回道に迷った事か!?許せよそのくらい!!」

慶次の顔に少しの汚れが見えた。
秀吉の顔にも同様。

それは戦いよりも、喧嘩という言葉のほうが似合う光景。

「秀吉さんと慶次が対面したら…互いに自然と体がそうなっちゃうんじゃないのかな…」
ぼそっと呟いたの言葉に、背後にいた半兵衛がため息と吐いた。

「子供っぽいな。二人とも…」
「そうですね。」

半兵衛も、同じことを考えていたようだ。

「姉ちゃん!!そいつにへんなことされなかったか!?」
「へんなことなんて…」
「変なこと?変なことというのは抱きついたり口付けをしたり一緒に寝たりすることかい?」

半兵衛がさらりとそういうと、武蔵はぴたりと止まった。
そして顔が赤くなった。

「姉ちゃんに何てことしやがるー!!おめーなんか馬にけられちゃえ!!!」
「例を挙げたまでだ。なぜ顔が赤い?初心なのかい?気持ち悪い。」
「なななななななんだとおおおおお!!!!!」

半兵衛と武蔵が喧嘩を始めてしまった。
しかし夢吉は、そんなのお構い無しでに飛びついた。

「夢吉…」
「キイイ〜」
「…この前は、ごめんね…もう、大丈夫だから…」
そういって、夢吉を肩に乗せる。

すると、自分が引っ掻いてしまったの頬に手を当てて、優しく撫でてくれた。

「大丈夫、そんなに深い傷じゃなかったから。」
は申し訳なさそうにする夢吉に、にこりと笑顔を向けた。


「武蔵!!武蔵!!半兵衛と何の話してんだ!?と半兵衛が何!?気になる!!大音量でもう一回!!」
「慶次!!そのような余裕が貴様にあるのかあ!!!!!」
「うわあっと!!!!!」

秀吉が思い切り慶次に手を振り下ろす。
慶次が避けると、その手は床を破壊した。

「くっそう!!ちょっとは疲れろよ秀吉ィ!!!」
「その言葉…そのままお返しするわ!!!!!」

攻撃の威力は衰えていないようだが、互いにぜーはーぜーはー息を荒げている。
の目には、ただの青春時代にしか映らない。

「二人は…大丈夫だね…」
「キ?」

あれだけ気持ちをぶつけ合えるなら、きっと大丈夫。
今度は…

「…自分の事、考えよう。」

の背後に男が立った。

「待たせてごめんね」
無言で首を振る。
彼らしい反応で、懐かしい。

「し、侵入者だ!!!!」
豊臣軍の人間が叫ぶ。
半兵衛の教育を受けた兵達は反応が素早く、その男に襲い掛かった。

「っ…!!風魔!?」
半兵衛が振り向いたときは黒い風しか見えなかった。
しかしそれは名前を呼ぶに十分な姿だった。

「キ!!」
は夢吉を床に降ろすと、すぐに走り出した。

君…!!待て…!!奥州に行くのか!?何を…」
「半兵衛様…!!この女はどうすれば…!?」
「とりあえず…とりあえず捕えろ!!」

半兵衛がそう叫ぶ前に、は兵を避けながら本丸を出た。
そして、階段には向かわず、側方へ。

「え…」
「ねえちゃ…!!」

躊躇うことなく、飛び降りた。

!?」
…!!」
これには慶次も秀吉も驚き、戦いをやめて外に向かう。

いち早く武蔵がが飛び降りた場所から下を覗き込む。

「あ…」

を抱きかかえた小太郎の姿が、僅かに見えた。

「忍…」
先ほどまで兵と戦っていたはずなのにと後方を振り向くが、倒れた兵しかいなかった。

「むう…」
武蔵は悔しそうに頬を膨らませながら、城外へと走り出した。

「ね〜ちゃ〜ん!!!!」
「武蔵までどこ行くんだ!?」

慶次が声をかけるが、武蔵は振り向かなかった。

「おい…!!」
「…慶次君。そんなぼろぼろでどこへ行く気だ?」

後を追おうとした慶次に、半兵衛が刀を向けた。

を…」
「何も知らない君が、追って何をするって言うんだ?風魔に追いつくわけも無いだろう?」
「そんなの知ってる!!!けど…!!がいきなりあんな事するなんて…なにかあんだろ…焦ってるんじゃ…!!」
「焦ってるのは君だ。君は何をしにここまで来た?秀吉を放ってさっさと行ってしまうのか?中途半端な…」
「それは…」

半兵衛がサッと刀を引く。

「君に君についての情報を与える。君は何かを起こす気だ。」
「…え?」
君の行動を予想したまえ。」
「半兵衛…が…?どういうことだ…?」
「どういうことかは僕はまだ…ん…?」

半兵衛が屈み、足元の紙切れを拾った。

「…これは…」
















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や…やややややっと進んだ感じです…よ…
そしてまた中途半端に途切れました…よ…
管理人は大阪城はゲームのしか知りませんすいませ…!!
あのとっても見晴らしのいいところから飛び降りちゃいましたよ…!!