な、なにあれなにあれなにあれ!!!!!!!!!

は困惑した。

あ、あんな…質問最後にしますかちょ…!!!!!

「夢…とか…政宗さんとは…」

本当は、頭の片隅に、ひとつの案があった。

自分の夢は

高価な医療機器に囲まれて、仕事をすることじゃないから…

「………」

………あれ?

今は他にも何か大事な事がある気がします。

「…………………」


たどり着く先は

の家の前ですね。

「…………着物で…」

は泣きたくなった。











落ちたのは舗装された道路。

「いった…」

お尻を打った。

「どうしよ…」

急いで家に向かわないと目立ってしまう…

「早かったな…」
「!!」

走りだそうとした瞬間、眠そうな声で話しかけられた。

「ふぁ…」
…」
あくびをして、家の門に寄り掛かっていた。

「二人は別なんだな」
「う、うん…起きててくれたの…?」
「もう少し待って来なかったら仮眠とってた」

に近付き、座って手を差し延べた。

「ほら、立って」
「うん…」

立ち上がって、乱れた着物をひとまず直した。

「…行った時と着物違うな」
「政宗さん…伊達がくれたの」
「はは、どっちで言ってももう判るよ」
「え…」
「目の前で消えて、現れたんだ、…信じるよ」
…」
「あー…」

が頭を掻いた。

「…う、うん。お前は着物、そういう女の子っぽいほうが、似合うぜ?」
「ありがとう」

の顔がみるみる赤くなった。

「ウチは、広くもねぇし…お手伝いさんもいねぇけど…」

言葉を探しながら、ゆっくり話す。

「…風呂と、家まで送る…ぐらいなら面倒みれる。だから、どうでしょうか?お姫さん?」
そういって、自分の家を指差した。
「………」

はぷっと笑った。

「あははは!!」
「な、なんだよ…!!」

は思い切り声をあげて笑った。

「何それー!!」
「だ、だってなぁ…!!」

の慌てる姿が、可愛らしい。

「はは!!ごめ…!!じゃ…お願いします…!!」
「…ん」

の後ろを着いて行き、家にお邪魔することにした。








部屋に入れてもらい、とりあえず着物のままソファに座っていた。

「誰も居ないからくつろいで大丈夫だから。」
「あ、うん」
「親、共働きだし…えーと…」

は慌てて行ったり来たりしている。

〜そんな慌てなくていいし…」
「あ、いや、えーと、待て…これから…風呂入って…車…途中コンビニ行って、そのまま駐車場でメシ食っての家行って…が着替えて荷物持って戻ってきて大学!!よし!!完璧!!」

それが早い、と判断したようだ。

、風呂入って来い!!」
「あ、じゃあタオル貸して…」
「もう用意してある!!」
「……」

準備が早い…

「じゃあ…お借りします…」
「一階降りて、右行った突き当たりだから!!」
「判った」

は小走りで風呂場に向かった。








シャワーだけでいいと思い、それだけで済ますと、講義の時間までまだまだ余裕がある。

部屋のドアを開けた。
、ありがと」
「おう…」

ソファに座っていた。

「ま、まぁ、座れよ」
「うん、まだ余裕あるから、ちょっと寝たら?」
「いや、それより話しがしたいんだけど…」
「あ…うん…」

の隣りに座った。

「と、とりあえず、まず…」

が腕を組んでまず何を聞こうか考え出した。

「…どっちの人?」
「はい?」
「…は…こっちの人?戦国時代の人?」
「……」

そこからか。

「いや、こっち…だろ、って思ったんだけど…なんか考えてたらごちゃごちゃしてきて…」

確認したいようだ。

「うーんとね…」

はとりあえずそうなった成り行きから話そうと思った。
自分に霊感があることも。








一通り話し終えても、は腕を組んだまま。
「えーと…マジかよ…」
「うん…信じられないかな…?」
「いや!!信じる!!」
は慌てての肩を掴み、強くそう言った。

「ありがとう…」
「けど…それ、どうするんだ、これから…」
「これから…は…」

まだ色々混乱してるのは、も同じ。
様々な考えが頭を巡る。

「まだ…」
「…
「…何?」

戦国なんて危険だと言われると思った。

「俺、…力になりてぇなって思って」
「え?」
「これからは、俺も関わりたい!!何でも俺に話してくれよ!!」
…」
真直ぐを見つめて、必死にそう訴える。

「でも…」
「俺も一緒にいけねぇかな…」
「それは無理だよ…!!」

出来るかどうかなど判らないが、目の前の人間をそこまで巻込む勇気がない。

「じゃあ…俺、待ってる!!戻って来たら誰か居た方が安心じゃねぇ?」
「そりゃ…」
「よし!!じゃあ俺、その日はの家に行くわ!!」
「……

は不思議な顔でを見つめた。

「…キャラ、違くない?」
「へ……」

はこんなに切羽詰まった彼を見たことがなかった。
佐助のように、とまではいかずとも、いつも飄々としていたのに。

「…えーと…」
「あ、ごめん、いや、いいんだ!!なんだか新鮮!!」

はにこっと笑った。

「…いつもの俺だったら…二人きりだな!!押し倒すぞ〜!?みたいなノリだろうけど…」
「そこまで言ってないし!!」

は俯いてしまった。
は思い切り手を左右に振り、ごめん!!忘れて!!と言った。

「…着物で…色っぽいしなぁ…」

ちらりとを見る。

「…ど、どうも」
「二人きりだしなぁ…」
じりっとに近付いた。
「いや、あの」
「大学…休んだっていいしなぁ…」

彼のことだ…冗談に違いない…

はそう思いながらも少し離れてしまった。
顔が真面目で怖い。

「!!」

さらに近付いてきた。
ソファは狭くて立ち上がらないと逃げられない。

「あの…」

が不安そうな顔をしたところで、ぷっと吹いて笑った。

「何もしねぇよ」

にこっと笑って、の頭をぽんぽんと叩いた。

「だ…だよね…」

「まー、もっとも…」
が離れて、背もたれに寄り掛かった。

「…が…こんなに大切な人じゃなかったら…押し倒してたな…」
「…へ?」

今度はを見ずに天井を見たまま、そんなことを言う。

「…覚えてる?学科の奴等で飲み会やってさ。」
「えと…最近の?」
「俺が幹事やったやつ」
「あぁ…うん。楽しかったけど…それが?」
はあまり詳しく覚えてない様で、首を傾げた。

「盛り上げてたら、格好悪いことに飲み過ぎて気持ち悪くなって、んなこと言えねー空気だし、電話出るフリして席立ったら…」
「あぁ…」
そこまで言われれば思い出したようだ。

、こっそり来てくれたじゃん。びっくりした。」
「だって、ちょっと顔色悪かったよ?」
「居酒屋のあの照明で良く判るよな…」

外に出て休んでた俺に、大丈夫?って声かけて、背中を撫でてくれた。

「結構、嬉しかった。一度も気持ち悪ィーとか言わなかったのに、察してくれたんだって。」
「え、いや、普通じゃない…?」
「俺は初めてだった。」

こんなに下心なく優しくしてくれる女も、久し振りだった。

「それで…気になって…お前と話すようになって…どんどんハマった」

の顔が赤くなってきた。
やっと話の流れが判ってきたようだ。
遅いっての。

「俺、の事、すげぇ好きなんだ。」
「あ、ありがと…」
「ごめんな、こんなときに。でも、言いたかった。昨夜からずっと…何で、俺何も伝えてなかったんだろって…」

告白なんていつでも出来るって考えてた。
と一番仲良いの俺だし、は俺を選ぶだろって、余裕だった。
調子に乗って、本当に馬鹿だ。


が立ち上がった。
「じゃ、とりあえず行きますか。朝メシ。」
「え…」
何事も無かったかの様に、荷物を持って車の鍵を取り出した。

「腹へってない?」
「えーと…うん…へってるけど…」

はまだ返事をしていない。
何て返事をしようか悩んでいたが、彼は答えを求めていない様だ。

「…俺はが大好きで、力になりたいって思ってる。面白そうだからって関わろうとしてんじゃないってこと、知っててくれればいい。」
…」
「返事はいつでも」

早く行こうぜ、と背中を押された。










マンションに着いて、急いでドアを開けた。

「………」

氏政が寝転んでた。

「爺さん」
『む…、おお、か…』

ゆっくりと起き上がっり、目を押さえながらこっちを見た。

「ただいま…」
『無事で何よりじゃ』
「あの、私、爺さんとゆっくり話したくて…今夜でも…」
『すまぬな、
「な、なにが?」

氏政はふらふらと立ち上がって、窓から空を見上げた。

『危険な目にあわせてすまない…しかし、ワシもまたまだなようでな…』
「何、が…」

『もう少しだけ我慢してくれぬか…もう少し、だけじゃ』
「もう、少し…?」


爺さんはもう知ってるのか

終わりにする方法を


「爺さん…私…」
はここの住人じゃ。それ以外のなにものでもない。』

「…政宗さんに、また来るねって、言っちゃった…」
『そうか』

こちらを振り返った氏政の顔は、優しく微笑んでいた。

『次、風魔に会ったら、すまなかったと…いや…』
「爺さん…」

『ありがとうと、伝えてくれ』

何も言えなかったから、と呟いて、氏政は消えた。


「次で…終わり…?」

はペタリと座り込んでしまった。


「…え…」

本音が頭を巡る。


「……いやだ…」




















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これも帰還編に含めてしまいました。新しいのは次から…また何編か名前考えなきゃ…!!うーぬーぬー…
オリジナル君が一番乗り告白でごめんなさいー
キャラでてなくてすいませんー
懺悔。