「元親!!道場を貸せ!!」
「は?」

どこかに消えたと思ったらいきなり怒鳴りながら現れた。

「何に使うんだ?」
「宮本武蔵と決闘する!!」

元就が武蔵の相手をするとは意外な…

「どういう風の吹き回しだ?」
の愛をかけた決闘!!」
「へーへー、わぁったよ…勝手に使え」
「うむ!」
すたたたたたと元就がすぐに去ってしまった。

の愛ねぇ…全く元就は…」






愛!?



「「「なんだと―!?」」」

政宗と幸村も敏感に察知し現れた。

小太郎もよろよろやってきたが

「お前は寝てろ!!俺がを連れてくる!!」
「………」

こくり…

小太郎は布団に戻ってすやすやと寝た。


「なんで俺のいないところでの愛を奪われなきゃならねぇんだ!!」
「某だって愛が欲しい!!」
が元就に取られるくらいなら俺が!!」

三人が殺気を隠すことなく走り出した。





元就と武蔵は睨みあっていたが

武蔵はよく状況が飲み込めてなかった。

「えーと…毛利元就!おれと戦え!!」
「…は純粋な愛を持っている…ザビー様にも劣らぬ輝きだ。我が手に入れる!!貴様には一滴たりともやらぬ!!」
「なっ…あの姉ちゃんの愛って…!?なんだそれ!奪うもんじゃねえだろーが!!お前みたいな間違ったもやしっ子に姉ちゃんは任せらんねー!!」
元就はを信仰の対象として言っているのだが


政宗たちは

たった今道場にたどり着いて


「姉ちゃんは俺を助けてくれた!今度は俺が守る!!」
「はっ!!渡さぬ!!」

「「「な―!!?」」」
勘違いするにはちょうどいいタイミングで話を聞いてしまった。

は俺のものだ―!!勝手に決めるな!!」
「某も参戦するでござる―!!」
はどこにいるんだ!?女なんだ…小姓なんて言わねぇ…俺の嫁になれ!!」
「元親お前…!!は渡さねぇっつてんだろ!!」

政宗と元親が取っ組み合いを始めたが幸村は気にせずの姿を探した。

「ふん…は料理っ…」
武蔵が石を投げてきたので元就の言葉が遮られた。

は料理…?」
は料理される…?」
は料理されて勝者への褒美として出てくる!?」

上から、幸村、政宗、元親の連想です。

「な…が…餡を体につけて…!?」
…幸村さん、好きなだけ食べて…
とか!?

が…肉体晒して…」
政宗さんの上で焦げるほど熱くなりたいな…
とか!?

の女体盛りで…」
元親くすぐったいよぅ…あっ…そこ食べたら見えちゃうよ…!!
とか!?


あくまで妄想です。

「うおおおお!!は某が食べる…!!元就殿!覚悟してくだされ!!」

幸村が槍を振り回しながら幸村が突進していく。
顔が真っ赤っかだ。

「背中ががら空きだぜ幸村!!MAGNUM STEP!!」
「何を…!!」

政宗の攻撃を幸村がとっさに防いだが

「うらぁ!!」
「!!」
元親が十飛で二人に襲いかかるが寸でのところで避ける。

元親は着地すると武蔵と目が合い

「鬼こらぁ!!俺と勝負しろ!!」

武蔵は元親にも石を投げてきた。
元就は武蔵への攻撃を止めないし
乱闘モードだ。

「…何事?」

は先程から入口に立っていた。
道場に入るに入れなかった。

しかも皆の叫びのなかに自分の名前が入ってるし。

「でも、呼ばないと…」

はすぅ、と息を大きく吸い込んで

「みんなぁ!!!」

視線がに集まった。

!!ふ、風呂入ってきたのか!?wait a minute!今俺がこいつらぶちのめすからな!!」
!某、や…優しくするでござる…!!だから、怖がらなくてよい…!!」
!俺がお前の愛、受け止めてやるぜ!!どーんときな!!」
の愛を理解できるのは我だ!!部外者は引っ込んでいろ!!」
「姉ちゃん!!なんだかよく判らなくなってきた!!けど体はあったまったよ!!」

は武蔵に向けてにこりと笑って

「そっかぁ!!良かった。武蔵さん、ご希望のアツアツうどん用意出来たからおいで!!といっても女中さんが作ってくれたものだけど!!」
「姉ちゃんありがと!!」

「「「料理って…」」」
政宗たちは思った

そりゃ、そうだよな…




皆が落ち着くと、はうどんを用意した部屋に案内してくれた。

「武蔵さん勝手に城にあげてごめんね、元親」

「いい。放っておけなかったんだろ」

折角なのでみんなでうどんをすする。

「味薄い…」
幸村の呟きを元親は聞き逃さなかった。
「文句言うなら食うな!!」
「そうだそうだ!!姉ちゃん、美味いよ!!」
「そ、某、文句いったのではない!!うまいでござるよー!!ただ場所によって味が違うのだなあと…!!」
「だから私が作ったんじゃないよ…武蔵君」

が困った顔をしたが、すぐににっこり笑った。

武蔵がそれなりに良い子でよかった。

「姉ちゃんおかわり!」
「はいはい」
椀を受け取り、調理場へ向かうが、政宗も立ち上がって付いて来た。

「政宗さん?」
「何があったんだよ」
うやむやにしたくないらしい。

「武蔵さん、網にかかったままじゃ可哀相だったから、偶然会った元就さんと一緒に行ったわけよ」
「おう」

「元就さんが武蔵さんと戦うって言い出してね…なんでかはよく判んないんだけど…」
「俺はそこが気になるんだがな…判らねえのかよ…」

「…うーん、ごめん…。で、武蔵さんは元親と戦いたいって言うしで話まとまらないから…私が武蔵さんに、元就さんとは準備運動ってことで決闘しな、私はその間に武蔵さんが食べたいもの用意してあげるって言ったの。それで体力回復してから元親に挑みなって」
「…そうか。ったく、厄介なのに気に入られて…」

調理場につくと女中が数人いた。

「おかわりですか?」
1人がの近くに来た。

「はい。皆美味しいって喜んでますよ!!」
「嬉しいわ」

から椀を受け取って、すぐに二杯目を用意してくれた。

「武蔵さん、母親っぽく叱れば大人しくなるよ!!政宗さんに迷惑かけようとしたら私叱るから!!」
「あんまり手名付けるなよ…」
政宗が大きくため息をついた。

廊下を歩いて皆のいる部屋へ向かう。

「…なぁ」
「ん?」
「次の船旅は、楽しもうな」

はきょとんとした。
この状況でなぜその言葉?

政宗はそっぽを向いた。

「船…嫌いじゃねぇんだよ…。なのにこの前は仕事三昧で楽しめねぇし…お前と一緒じゃねえし…」
「うん…そうだね…」
「んで、船の上は、海は、綺麗で楽しかったんだって、小十郎に言おう」
「……政宗さん」
「何だよ」

は何となく、政宗の意図を感じ取ったが
少し自惚れてるかなとも思ったけど
勇気を出して口にしてみた。

「小太郎ちゃんの風邪が治ったら、私はすぐに慶次に会いに行くと思って」
「…」
「一度一緒に奥州に戻らなきゃできない約束しようとしてる?」
「……」

政宗が

ゆっくり下を向いた。

「うるせぇよ…前田慶次には、奥州に来させれば良いんだ…。あいつはそんなにヤワじゃねぇ…」
「そりゃ、私だって慶次の事信用してるけど…でも慶次は私の事庇って怪我して…」
「…ムカつく」
「え?」
「お前は」

政宗の口調が強くなった。

「あの日から、前田慶次の事ばかり考えてたのか」

「え…?」

「そりゃそうだな。お前を助けたんだもんな。心配なんだろう?判るよ。頭では判るんだよ。でも」

一呼吸置いて

「俺と喋りながらでも、前田の奴の事考えてるのかと思うと、お前の首を締めたくなる」
自分のペットじゃないと判っているのに

このどうしようもない感情が

「…政宗さん」

返事なし。

「…ちょっと待ってろこの野郎…!!」

が逆ギレした。
部屋に入ると、ドンと武蔵の前にうどんを置いてすぐ出てきた。

政宗の腕を掴んで早足で歩き出した。









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ま、ま、ま、
またいでしまった…!!
すいません!!続く!!