日曜日に家でまったりも良いけどね

今日は朝からアドレナリンがドクドク分泌。

二人を連れてどこかにお出かけしたいのよ。

ネズミさんが居る某テーマパークも良いけどね

絶叫系で楽しめるなんとかハイランドもいいけどね

金がねえからね!!!




「いやぁ、水族館なんて久しぶりだなぁ〜」
政宗さんも幸村さんも、海とはなかなか縁がないようだったので連れてきてみた。

このあとは観覧車にでも乗って、未来の景色を見せてみようと思った。

「うおお…」
「…真田さん」
「かっこいい…」
「真田さん…へばりつきすぎだから」

幸村さんは顔を水槽にべったりつけて、ゆっくり泳ぐ鮫を眺めていた。

「泳ぐ姿を見るのは初めてだ…大きい…」
「…」
動きそうにない。

「伊達、どうしよ…」
といいながら後方を向くと、政宗さんが居なかった。

「え…、ちょ、真田!ここにいて!!」
「…うむ…」

幸村さんは鮫に一目惚れのようだ。

…政宗さんはなにが好きだ?

クールなものか?

何だろう…クールな…

近くには見当たらないので推理しながら探していると

「あ!」
いた。

何かを見つめている。

「伊達!だめだよはぐれたら!」
「っ!…」
「何見てたの?」
のぞき込むと

可愛い可愛い

「ペンギン…?」

意外だ。

「ペンギンて言うのか…」
また見つめだした。
ぺたぺた歩くペンギンを目で追う。

「…」
「……」

帰りに

…お人形でも買ってあげよう…




「…真田は?」
満足したらしい政宗さんがやっと口を開いた。

「鮫を見てる。まだ見てるよ絶対」
「じゃあ、行くか」
休みの日は人が多い。
周囲を眺めて政宗さんが

「え」
私の手を握った。
少し冷たい手だった。

「…」

政宗さんが一組のカップルを見て

「ぅえ!?」

握っていただけの指を、私の指に絡ませて

…恋人繋ぎっつーんだよこれは!!

「よし、行くぞ」
「待ったぁ!こ、この手の握り方はですね…」
顔が熱くなる。
「あぁ、気に入った」
「き、気に入ったとか、そうじゃなくて…」

政宗さんに引っ張られる。
「わっ」
「いいじゃねぇか」
良いとか悪いとかじゃなくて…

おっきな手に包まれちゃ

…緊張してしまうじゃないですか…

「…お前は」
「ん?」
政宗さんと目線を合わさずに話す。
絶対顔赤いから。

「…ああいうこと、よくやってんのか?」
「へ?」

政宗さんの顔を見ると

視線の先に

「うっ…」

死角になって周囲にはあまり気づかれない場でキスをするカップル

馬鹿てめぇら昼間っから何政宗さんに見つかってんだよ!
戦場だったら殺されてるぞ!?

「し、しない…私は」
「何でだ?恋人同士、さっきからたくさん見かける。自由に恋愛が出来るんだろ?何でお前はしない?」
「何でって…」

そう聞かれてしまうと…

「霊がみえるのを気にしてんのか?」
「そんなの隠し通せるよ…」
「…言う気はねぇってか。じゃあなぜ?」

私としては何故政宗さんがそんなにマジなのかが疑問ですが…
…私のこと、知ろうとしてくれてるのかな…?
なら、ちゃんと答えないと…

「初恋は、告白せずに終わったし…」

といっても自慢でもなんでもないのでぼそぼそと言ってしまった。

「次に好きになった人には、彼女がいたし」

政宗さんは黙って聞いている。

奪い取らねぇのかとか根性無しとか言われるかと思ったのに。

「それ以降は、特になかったかな…どうも臆病になっちゃうからさ、積極的にいけなくて…」

自分のだめな所だと思う。

「…そうか、お前はしてないんだな…。…信じるぞ」
「へ?」
信じる?
何を?

頭に疑問符をたくさん浮かべながら政宗さんを見ると

…なんか嬉しそう?

……あ!からかうネタが増えたとか思ってんのか!?このドSめ!!



と繋がれた政宗の手がゆっくりと暖かくなる。

それは無意識にも安心したことをに伝えていたが、二人とも気がつかなかった。



「…」
「…」
なんか見つめあって沈黙。

「…さ、真田のところ早く行こう」
もちろん先に耐えられなくなったのは
「別に置いてったってあいつなら探せるだろ」
「は!?なにいっちゃってんの!?」
「真田だってガキじゃねぇ」

そう言って

政宗さんが手に力を込めて

引っ張られ…

「ぎゃ―!!まって!!、痛い痛い痛い潰れる!!」
「ah?」
周りからめちゃくちゃ視線向けられるけどそんなこと気にしてられるか!!

手を引っ込めて形の確認。

…よ、よかった、私の手っ…!!無事!!

「なんだそんなに痛かったか?」
「そりゃそうだよく考えてみろ!あんた指の間に刀通してそれで振り回し…ぎゃあ!怖い!どんな手の筋肉!?あんた禁止!さっきの手の繋ぎ方禁止!!」
「嫌だ。手加減を間違えただけだ。」
それが怖いんだ!!

〜、伊達〜」
「あっ!真田!!」
人混みをかき分けて幸村さんが現れた。
「見つけた!」
幸村さんがにっこり微笑む。

それを見てすごく癒されてしまって
「うわー!!ごめんね真田1人にして―!!」
幸村さんに抱きついた。

「どうした?俺は大丈夫だか…。伊達にいじめられたか?」
幸村さんがよしよしと頭を撫でて下さった。
「…言うじゃねぇか…真田…」

「…」
破廉恥ー!!という叫びが聞こえてこなくてはちょっと物足りなかった。

「…いいことだろうけど」
「どうした?」
「いいえ。なんか真田が男前になったなあと…」
「そ、そうでござるか!?」
幸村さんが顔を少し赤らめていつもの口調で照れた。


「…おい、さっさと行くぞ。いつまでくっついてやがる」

政宗さんに背中を引っ張られた。
意外なことに服をつまんでクイクイ引くだけ。

力加減思いっきりしてくれてんのか…

…たまになら、恋人繋ぎしてやるか…

…何だこのお母さんみたいな心境












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実際に水族館に行った後書きたかったのですが
時間が取れませんでした。
ので妄想水族館話。
水族館でそんなにラヴるカップルがいるのかは不明。(おい