夕食が終わったら説明会です。
2階の広間に皆が集まってくれた。
慶次も同席してくれて、時々補足してくれた。
嘘は言わないけど、ごめんなさい、やっぱり起こった事の全ては話せない・・・

「…小太郎、お前ジイサンから何も聞いてないか」
こくり
「なるほどな…」

隣に居た小太郎がの手を取る。

その意味は全員判る。

どこに現れても俺が見つけだす。


「小太郎ちゃん…」
「任せていいのか、小太郎」

こくり

「よかったな、…安心してこっちへ来るといい」

小十郎さんが、来て良いと言ってくれた。
私、邪魔じゃない?
大丈夫?

「あ…あう…」
「泣くんじゃね―!!大丈夫だって言ってんだろが!」

小太郎がまたの頭をなでる。

「なぁんだ」
慶次がその光景を見て声を漏らした。
「どうしたの、慶次?」
周囲の視線が慶次に集まる。

「いや、は独眼竜と愛し合ってんのかと思ったら、そうでもないんだなぁ…
むしろその忍のがいい感じだぜ…俺まだ望みあるなぁ…」
「は?」
「独り言だから気にしないで」
「しっかり聞こえたんだが」
「俺のどこに愛がねぇっつーんだよ」
「「「ないですよ」」」
こくり
と小十郎と成実の声が合った。

「…戯れが過ぎないか、おい」

明らかに気分を害した政宗をみて、は笑った。

「・・・なあ、、背中を撃たれたんだろう?なぜ腰が痛かったんだ?」
はい、小十郎さんの痛いご指摘。
上手い事誤魔化して話したつもりだったのに
「・・・ぎっくり腰」
「違うだろ」

ばしっと慶次があぐらをかいた自身の足を叩いた。
「それはなあ!真田幸村にやられたんだ!!」
「けーじ!!」
「いいんだよ!言ってやれ!あいつはもっと頭冷やしたほう・が・・・」

ゴッと殺気が押し寄せてきた。
「・・・・・・・・・・・・真田幸村ぁ?」
「怒らないで!私が悪いの!私が下手に幸村さんに近づいて」
「・・・それでヤられたのか」
「おうよ!とんでもねえよな!弱い人間に襲い掛かってよ!」
政宗側と慶次、側で意味が違っている。

「・・・そんな・・・ちゃん・・・今も痛みが残るくらいヤられちゃったの・・・?」
「成実さん!大げさだよ!そんな大した事じゃ」
「言うなおい・・・じゃあ俺の相手もしろ。」
「???」
小太郎は意味がわからず首を傾げる。
「相手・・・?したじゃん・・・」(←チャンバラ)
「な!政宗様!?」
「殿最低!」
「はあ!?何言ってんだよ!!」

食い違っている事にようやく慶次が気付く。
「・・・あー、その、、包帯まだしてたよな?変えなくてへいきか?」
「そうだね・・・念のため変えようかな」
「「「・・・」」」
その一言で勘違いに気付いた。

政宗が眼を閉じて、一息ついてから
「まあ、どのみち」

真田幸村ぶっ殺ーす!!!

いつもよりも結束が固くなった伊達軍の皆様。

「落ち着けやコラぁ!!」

は今までになく男らしい声を出した。




説明会が終わると、は政宗の部屋に引きずられていった。
「ふん・・・満月か・・・てめえと月見は出来ねえってことか」
「そうさねえ・・・残念ながら」
向かい合って座っている。
時々、外吹く風で障子がカタカタ音を立てる。
その音が自然に耳に入る、その程度の声で
二人は穏やかに時間を過ごしていた。

「越後には少し忍を向かわせたが、加賀だったか・・・しかし、この短期間で上杉、前田とお友達作ってくるとはな・・大した奴だぜ」
「あ・・・ありがとう」
「そんでそのお友達が何の用だ?」
「え?」
政宗が天井に小刀を投げる。
カッといい音を立てて突き刺さる。

カタンと、天井の一部分が外される。

「・・・・・・・」
「かす・・・が!?」
「・・・お友達・・・なんだろ?」
かすがの顔は怒りに満ちていた・・・
「ごめんね!勝手に来ちゃって・・・」
「それはいい・・・無事に着いたのだしな・・・」

ストッと部屋に降り立つ。

「・・・一応殿の部屋なんだが」
かすがの目にはしか映っていない。

「・・・謙信様が」
がしい!と胸倉を掴まれた。
「かかかかかすが!?」
に貰った、ねっくれすとやらを毎日離さず付けている・・・
時折じっと眺めている・・・愛しい者を見るような優しい瞳でなあ・・・」
嫌な予感がする。
「き、気に入って頂けてうれしい・・・」
・・・私はお前にすー――――ごく嫉妬しているんだが」
ひいいいいい!!!
「おっかねえな。頭に血が昇ってんぜ」
「落ち着けかすが!まったまった!!」

かすがから離れて、ばたーんと襖を開けてバックに飛びついて、慌てて荷物をばら撒いて目的物を探す。
「あった!これ!」
デザインの似たブレスレット。

「それは・・・?」
「かすがに!謙信様とちょこっとお揃い!」
腕を取って付けてあげる。
「・・・綺麗だな」
かすがが物珍しそうに眺める。
貴金属は珍しくないのだろうが、デザインが気になるようだ。
「謙信様と毘沙門天のご加護を吹き込むなり、二人の愛を吹き込むなり何でもしやがれ!!」
「なっなななんだとー!?そんなことできっ・・・したい・・・言える・・・か!」
葛藤したが理性が勝ったようだ。
かすがは結構ロマンチストだ。

「・・・本当にこれ・・・いいのか?」
「うん。お礼!」
「あ、ありがたく頂く」
「いえいえ」

「・・・なあ、殿の部屋で何やってんだよお前ら。」
女のこういう話にはついていけない。

政宗は少し離れたところで目を細めて二人を見ていた。

「小太郎は?」
「今はどっかいっちゃった・・・」
「そうか。・・・仲良くやれよ」
「うん!」
かすががちらりと政宗をみる。
「・・・んだよ・・・殺るか?」
「・・・いや、では」
かすがが一気に外に出て、バサッと白い鳥を出現させて、それにぶら下って去っていった。

「・・・てめえが来てからありえない事が起こりすぎる・・・」
「いいこと?」
「さあな」

「・・・・・・」
小太郎が居なくなったのは俺たちに気を使って、だと信じてみることにした。
の腰に腕を回す。
ぴくりと反応した。
「痛いのか?」
「痛くないよ!」
嘘をついているようには見えない。
怪我をした衝撃を思い出しただけだろうか。
こいつはこいつなりに、頑張ったんだ

「・・・ちゃんとここに来れた褒美をやる」
たまには褒めてやろう。
「え、い、いらないよ!!私が来たくて来たんだし!!」
「だからやりたいんだよ」
「そういってくれて嬉しいけど、でも」
「受け取れ」

少し腕に力を入れて、引き寄せて

の頬に手を添えて

褒美は俺の

「待てよ!こーたーろー!!」
「〜〜〜〜!!!」
ばたばたばたと足音。
「ん?」
「・・・・・・ちっ」
「ー!!!」
小太郎が政宗の部屋に飛び込んできた。
を見つけると、政宗と密着しているのを気にもせずに飛びついた。
その勢いで政宗とが離される。
「うわ!何してんの慶次!小太郎ちゃん!」
「だってこいつおもしれーんだもん!」
小太郎の後ろ髪がツインテールになっていた。
「小太郎ちゃんかわいいー」
縛られた髪をつついた。
「!!!」
「ほら〜、可愛いってよ!良かったな!」
「・・・」
小太郎が戸惑う。

「てめえら・・」

信じた俺が馬鹿だった

ちょっとは殿を気遣え・・・







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慶次がいると政宗氏が苦労人に・・・
褒美はキス〜とか
ここの管理人がさせるわけなかろう(お まえ)