晩ご飯……まま、まっ……ままままま
松茸!松茸だ!松茸……松茸っ松茸がいっぱい―!!
あぁ……政宗さんにも食べさせてあげたい……!!
小太郎ちゃんはみんなと一緒にご飯食べれてるかな!?
みんな……どうしてるかな……!
探してくれてるかな……。
い、いや……甘えない!私が会いに行くんだ!

「くちにあいますか?」
謙信様が声をかけてくれる。
「はいっ!松茸ご飯なんて何年ぶり……。おいしいです……!」

松茸ご飯に松茸のお吸い物……なにこれ幸せ―!

「それはよかった。」
周りの方は私を少し警戒してるけどね……。
部外者だから仕方ないけどね!
「かすがはいつ戻るのですか?」
「いつかごにはもどるでしょう。」
五日後か。
そしたらすぐ送ってもらえるかな?
疲れてるかな……。

、おつかれのようですし、たべたらゆっくりおやすみなさい。」

……気遣ってくれてる?

「あ、かすがが報告したんですよね、北のこと……。」
「たいそうなしかけをしたそうで……そのようなかおをしないでください。わたしはあなたにかんしゃしていますよ?おだのやりかた、わたしもきにかかってました。」

政宗さんたちが、越後はまだ大人しいって言ってたな。
まだどこにも仕掛けてないのかな。
武田と一戦交えないのかな……?
疑問に思っても未来のことかもしれないから聞けないし、聞いたとしても私が何かするわけでもないし、考えても仕方ない。

おかわりしたい気持ちを抑えつけて、さっさと部屋に引っ込んだ。













けぇんしーん!

「う……?」

謙信松茸恵んで―!

「……またでかい声で起きた……。」
幸村さんの声じゃないが。

まつ姉ちゃんに頼まれてさ―!


「よく通る声だなぁ……。」

のっそり起き上がって、着物が枕元に置いてあったのでそれに着替える。
お客さんだろうか?

「でも友達って感じだよね。」

普通に過ごしていれば大丈夫だろう、と考えながら、顔を洗いに外へ出た。




丁度朝ご飯を用意してくれていたので、受け取って部屋で食べた。
膳を戻したらまた部屋に戻る。
昨日はかすがにとられてあまり見れなかった防弾チョッキの弾を受けたところの観察をしていると、誰かがどたどたと廊下を走る音が聞こえてきた。

「おぉーい!ってやつ居るか!?」
朝の目覚ましになった声が、すぐ近くに迫っていた。

何で私を呼んでる!?
そろりと障子を開けて様子を見る。
後ろ姿が見えて、束ねた長い髪が揺れている。
羽を頭につけていたり、黄色い羽織にと、なかなか派手な衣装を身に着けている。
何か大きな武器みたいなのを持っているし……。
図体が大きくて少々怖いが、あの謙信様を尋ねる人に悪い人はいないだろう、と思いつつもやはり警戒が解けない。

「松茸狩り行かねぇかって謙信が!」
「松茸狩り!?」

好奇心に負けた!
うっかり飛び出してしまった!

「お!あんたか!」
くるりと振り向いた男は爽やかににこっと笑った。

「客人なんだって!?暇を持て余してるだろうからって!行こうぜ!」
「だ、誰?」
「ん?あぁ、俺、慶次!前田慶次っていうんだ!よろしく!」
なんて友好的な人間だ……。
慶次と名乗った男は早速ジロジロと私を見回してくる。
……そちらもまた、私を警戒してるのか?
大人しくしてるか……。
「へぇ―!本当だ!」
……何が?
「謙信の言ってたとおりだ!何か違うね!雰囲気!」
「雰囲気?」

初めて言われた。
……未来人だからか!?

「そ!魅力的ってことな!」
「どうも…」

喜んでいいのか?







というわけで松茸狩りへ山へ来たんですが

「わ―!いっぱい生えてる―!」
「なー!よし!採りまくるぞ!」
「採りまくっちゃだめだろ!」

慶次は放置したら松茸すべて持っていってしまいそうな勢いだ。

採り方を教えてもらって、二人で姿が確認できる範囲をうろうろしてとり続ける。
「慶次と謙信様って仲良しなんだ?」
「ああ!あんたはかすがちゃんと仲良いんだって?」
「かすが?うん!友達!」
「かすがちゃん、さっさと謙信に好きだって言っちまえばいいのにな!あんたからも言ってやれよ〜。」

……おや、かすがは謙信様が主じゃなくてそういうふうに好きだったんだ……。
あれ?私って鈍い?

いきなり肩に重みがきて、バランスを崩す。
「キッ」
「おっ!お猿さん!手伝ってくれるの?」
「そいつは夢吉。気に入られたな!!」
「ありがとう夢吉〜!私も夢吉好き〜可愛い〜。」
「キ〜。」
首を夢吉の方に傾けると、夢吉が私の頬にすり寄る。
「相思相愛!いいねぇ!!俺のことは!?」
「いきなり何聞いてんだ!」
「なぁんだよ、好きって言ってくれるかと思ったのに!は好きな人いないのかい!?」
「なっ、な……いないいない!」
思い切り首を振ったら夢吉がびっくりして慶次の所に戻っていってしまった。

「本当かい?何で?恋ってのは良いもんだぜ?」
「……」
手を止めて慶次の方を見る。

ここ来てそんな事言う男の人初めて見たなぁ……。

「慶次は?」
「俺は、気になってる人なら居る。」
「へえ、どんな人?」
「あんた。」
ビシッと指を差された。

「……そりゃどうも。」
反応に困った。

「あんた忍じゃないよな?ここら辺に住んでる子?会いに来て良い?」
質問攻めが始まってしまった。
恋多き男なのだろうか。
「ええと……ここじゃなくて、奥州の方です。」
「奥州!?竜のとこか?よくかすがちゃんと仲良くなれたもんだなぁ!いつ戻るんだい?」
「すぐにでも戻りたいけど、今危ないらしくて……。」
「へえ……。」
慶次が何かを考え込む。
「……じゃあ俺が連れてってやるよ!」
「え?」
「といっても松茸届けた後になるけど、それでもよければ!」
「でも危ないって……。」
「俺は喧嘩も強い!」
ウインクされた。
確かに、彼は頼りになりそうだ。

「それに行ってみたかったんだよな!奥州独眼竜!どんな男か見てみたい。」
「……いいの?」
「よし決定!じゃ、さっさと採っちまおう!」
「ありがとう!」

かすがには謙信様に言ってもらおう。
とにかく奥州にまた戻りたくて、仕方ないんだ。











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謙信さん!平仮名読みにくい!
名前変換が漢字の人はごめんなさい!
慶次がまつストーリーモードちょっとやります!
ご夫妻も好きですが・・・横取りしてすいません