「元就さんも一緒にどうですか?」
そういうと、元親があ!!ばか!!と慌てた。
え?と元就を見ると、先ほどよりも怒っていた。

…お前人の話を聞いていたか?」
「は、はい…」
「ならば察せ!!我がこいつとお出かけなどするわけが無かろう!!!」
元就が元親を思い切り指差し、に怒鳴った。

「ご…ごめんなさい〜!!!!!!」
その元就の顔が怖くて、は逃げ出してしまった。

土手を駆け上がり、家に向かって駆け出した。







住宅地が多くみられるところまで来て、は止まった。

「に、逃げちゃった…」

元親は大丈夫だろうか、というのも頭によぎったが、は呼吸を整えるのに必死だった。

「元就さん怖い…でもそもそも政宗さんと幸村さんが…」
「悪かったな」
「うわ!!」
いきなり背後から声がして振り返ると、政宗が腕を組んで立っていた。

「悪いと思って、戻ろうかとも思ってたんだぜ?」
「元親に言って!!そういうことは!!」
「あいつなら大丈夫だろう。お前の心配。お前の。」
「な、な…」

嬉しいが、着眼点が違うだろう…!!!!

「政宗さん!!」
「あ?」
「もう面倒ごとは起こさないで!!」
「なんだよ、保護者ヅラすんなよ…」
「政宗さんの心配!!政宗さんの!!!!」
は走ったせいで一言怒鳴るたびにいつもより激しく呼吸をしていたが、構わず政宗を怒鳴った。

「暴れるなら、見つからないところでやって!!それ以外は我慢!!」
「…………」
政宗は頭を掻いて、はあ…とため息をついた。

「…お前が」
政宗がかがんで、の顔を覗き込んだ。

「今ここでキスしてくれたら、我慢を覚えてやってもいい」

にやっと笑って、そんな事を言う。

は黙り込んだ。

「真面目な自分の言い分がすぐ通る、そんなこと思うなよ?」
「…政宗さん」
「なんだよ正義の味方さんよ…っと?」
がしい!!と政宗の顔を両手で挟み込み、

「…!!」
乱暴に唇を合わせた。

「…誰が、真面目だって?」
「へえ、積極的にくるねえ…」

も政宗も、互いに動揺したほうが負け、といったように余裕の笑みを浮かべたが

「…」
「政宗さん?」
政宗が口を押さえて、俯いた。

「…、俺な…」
「はい」

「…お前とのキスは…初デートの遊園地で観覧車の中って…決めてたのに…」
「じゃあ言うなよ!!!!!!!!!!!」

夢見る政宗の完敗だった。













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政宗END
なにこの結末…