「あんまんがいいかな」

やはりスタンダードに糖分が欲しい。

「某もあんまんが良いでござる!!」
「お、幸村さん気が合うねぇ〜」
「…気が合うじゃねえだろ。幸村はいっつもあんまんだろが…」
政宗は幸村の後ろ髪を軽く引っ張った。
「い、痛いでござるー!!」
「政宗さん、そんないじわるしないの!!ささ、お願いします!!」
「…ピザまんとあんまん2つとふかひれまん」

ちゃっかり自分のも買う政宗だった。





外に出ると、政宗早速皆に配り、熱いうちに食っちまおう、と言った。

「皆で食べるのはいいわ!!あったかーい!!」
「しかも奢りだしー」
と佐助は嬉しそうに、政宗さんありがとねーとか竜の旦那、またよろしくねーなどとのん気に政宗に話しかけていた。
「次は俺が奢ってもらうほうだ!!!」
政宗は怒鳴り、調子に乗るなよ!!と佐助を睨みつけ、ふかひれまんにかじりついた。

「そうだ、
「何?幸村さん」
「ウチの近くに美味そうな茶屋があってな!!」
幸村は思い出して目を輝かせた。

「一緒に行かぬか?」
「行きたいー!!!」
「ならば早速!!」
幸村はガシ!!との腕を掴んだ。

「…え?今?」
「うむ!!」
ちょっと待って、と言う前に、幸村は走り出した。

「うわわ…ま、政宗さーん!!!!奢りありがとー!!」

そう首だけ向けて叫ぶと、政宗は明日礼はたっぷり貰うぜ!!と叫び返した。
は、じゃあその礼の礼を明後日してもらうぜ!!と言い返したが、幸村の走りについていくのがやっとで、政宗に聞こえたかどうかは確認できなかった。





「ここでござる!!」
「…こ、ここで、ござるか…」
はぜえぜえ肩で息をしながら、返事をした。
店の外観を見ると、和テイストだが近づきがたい雰囲気も無く、ディスプレイされたあんみつやパフェは可愛らしくデコレーションされているので、のテンションも上がってきた。

「さあさ、中に入ろう!!実は気になっていたのだが来る機会が無くて某も初めてでござる!!」
「う、うっス…」

幸村がまたぐいぐい引っ張るので、はそれに従うことに。
自動ドアが開き中を覗くと、老若男女問わず客が入っていた。


2名様ですか?と問われると、幸村はきょろきょろ周りを確認してから、2人でござる!!と言った。
おそらく佐助がいるかどうかの確認だったのだろう。

「…(佐助は来なかったのか…え、何か嫌な予感が…)」
佐助は自分の不利益になることには敏感だ。
、さ、行こう」
「あ、うん!!」

2人席に座ると、早速メニューを開いた。
「お、いいね、抹茶系が多いんだ?」
「どれもうまそうで良いな!!」

早速抹茶パフェを頼み、二人で雑談しながら待っていた。
「そうだ、…もうすぐテストが…」
「うん、頑張らないとね!!」
「英語は政宗殿に教えてもらい、元就殿に数学を教えてもらい、佐助に化学を教えてもらい…、国語と生物を教えてくださらぬか…」
「…幸村さん?得意教科は?」
「体育!!」
「…そ、そうか」

幸村らしい、と思い、は笑った。

「じゃあ、誘ってくれた御礼に一緒に勉強しよ!!」
「ありがたい!!」
ぺこぺこと幸村が頭を下げていると、店員がパフェを持ってきたので、勉強の話はあとにして今は食を楽しもう!!とスプーンを手に取った。

「おいしいでござるー!!」
「うん!!白玉乗ってるのすごくいい…!!」
甘いものをこんなに嬉しそうに食べる男性っていいなあ…とは思い、幸村を観察しながら食べていると、幸村は顔を赤くした。

「な、なぜ、そんなに見つめてるでござるか…」
「んー?幸村さんとのデートは楽しいーって話。」
政宗さんだったら、絶対、太るぞお前、とか言い出すだろう。
「でっ…!!ま、まあ、楽しいと感じてくださっているなら…某も嬉しいでござる…」
「ん?」
なんだか幸村が冷静だぞ…?

「えと、
「はい」
「某、の前で政宗殿に勝ててとても嬉しかったでござるよ」
といってもゲームですけどね。と思ったがあえて口には出さなかった。
「明日、また政宗殿は某に勝負を挑んでくるでござろう…そ、それも、絶対勝つでござる!!」
「う、うん、頑張って」
のために!!」
「私のために?」

は幸村がなぜそんな事を言っているのか一瞬判らなかったが、幸村の真剣な顔を見ていると、あ、もしかして私、口説かれてる?と感じた。
判りにくいのがこれまた幸村らしい。

「うん!!応援してる!!」

にっこり笑ってそういうと、幸村もほっとしたように顔を綻ばせた。

「こ、ここは、某が奢るでござる!!」
「え、いいよー、学生なんだから割り勘で」
「いえ!!デートなので!!」

変なこと気にするんだなあ、と思ったが、そういうなら仕方が無い。
何か男のプライドがあるのだろうと、はそれに甘える事にした。

食べ終わって、レジに並んでいると

「…あ」
「ん?」
「財布、佐助がもってる…」
は若手芸人のように体が前のめった。

幸村はみるみる申し訳ない顔になってしまった。

「あー、大丈夫、大丈夫、私払っとく。」
「ああああかたじけない…!!!!某はうっかり…!!!何故佐助ついてこなかった…!?」
「本当だよ…察して渡すなり来るなり…」

…佐助がこんな時にこんなヘマするはずがない…
…ん?

「すまぬ!!、ウチに来てくださらぬか?お返しせねば…!!!」

…そんで、家に行くと、誰も居ないんでしょう。
財布だけ置いて、佐助はどっかに行ってるんでしょう。

は、計ったな佐助…!!!!

しかし、幸村の慌てて切羽詰ってる顔を見てるとそうも言えないし、明日でいいよといっても、今日中がいい!!と言い出すだろう。

「…わ、わかった…」

…まあ、幸村さんだし、大丈夫だろう。と思う自分が居た。
















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あとの展開は皆さん妄想してください、な悲劇
幸村END